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「音楽に惹かれた理由」| 町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部S:指揮者を目指す過程でプロになってしまったという形なので、僕にとってピアノは趣味の域。遊びで弾いていて、たまたまそれを聴きたいと言ってくれるお客様がいらっしゃる。誰のためになんのために弾くかはいつも自問自答していて、作品のためなのか、自分のためなのか、お客さんのためなのか、色々あると思いますが、その都度変えたりしています。僕にとって指揮はおそらく将来的に職業になる。
クラシック音楽を好きになるきっかけはいくつかありましたが、漫画やドラマの影響もありました。当時はクラシック音楽の知識は全くありませんでしたので、ドラマで曲を知りました。この番組をご覧の方の中にはクラシック音楽に興味がないという方もいらっしゃると思いますが、アニメやドラマをもう一度見てもいいかもしれません。一番良いのはフィギュアスケートだと思いますけど。
M:確かにフィギュアスケートをきっかけにCDを買ったり、音楽家のコンサートに行くといった消費行動もあったりして、ちょっとでも貢献しているんだなと思った記憶があります。
これまで数々のコンクールや舞台に立たれてきたと思いますが、ショパンコンクールを細かく拝見させていただくと、身体運動として半端じゃないことをやっていると思いました。例えば指の動きでも、一般人が同じ運動をしたら1分ともたずに腕が動かなくなるだろうと思うくらいです。やはり身体的な負担は大きいですか。
S:大きいですね。何事においても最終的には体幹になってくると思います。他に注意するところと言うと、背筋とかですかね。肩甲骨からグッと腕を前に持ってきて、抱え込んで押すみたいな。演奏の仕方も流派の一つとしてあったりします。単純に肩や肘、手首、指の第3・第2・第1関節っていうのを意識して弾いたりすると音も必然的に変わってきます。これは不思議ですよね。特に若い学生たちに伝えたいのは、第3関節は手の甲から見ると拳のあたりにあり、手の平から見た場合の指の付け根ではない。そこを意識しているかしていないかで全然演奏は変わってきます。
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