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フィギュア スケート コラム 2021年12月14日

今季は五輪シーズン!難しいルールをしっかり復習しよう | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 【ルール復習スペシャル 前編】

フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 【ルール復習スペシャル 前編】

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」シーズン8がスタート!
日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん(KENJI)が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます!

今シーズンは北京五輪が2月に開幕。そこで今回は観戦する上で絶対におさえておきたいルールや注目の海外選手など、見どころをたっぷりご紹介します。

KENJI:今回はこのメンバーでお送りしたいと思います。すっかりお馴染みの岡崎真さんと、中庭健介さんです。よろしくお願いします。コロナの影響で色々大変だと思いますが、シーズンに入って、元に戻っている印象などありますか?

岡崎真さんと中庭健介さん

岡崎真さんと中庭健介さん

岡崎:緊急事態宣言に入ってしまった時期などもありましたが、リンクの環境も少しずつ戻ってきて、選手も通常通りではないですが、練習量も増えてきて、試合なんかでも良い演技ができるようになってきたのかなという印象は受けていますね。

中庭:昨シーズンの経験があるので、今年は随分と改善できていて、選手も現場も競技に集中しやすい環境を作っていただいているので、すごく恵まれているなと実感しています。

KENJI:中庭先生はこのリンクの、MFフィギュアスケートアカデミーのヘッドコーチですが、どうですか?

中庭:まだちょっと恥ずかしいですね。まさか去年はこういうことになるとは思いもせず、責任感がやっぱりあるので、そういった意味ではすごく充実した毎日で、大変ですけど毎日楽しくやれています。

KENJI:そして、前回に引き続き、鈴木明子さんです。お願いします。前に来たときから何か変わったことはありますか?

鈴木:昨年は本当にアイスショーが無かったので、その中で振り付けのお仕事をやらせてもらったりしました。今年になってようやく、KENJI先生とも一緒にアイスショーができて、お客さんの前で滑ることができるんだという喜びがあります。まだちょっと選手たちは無観客が割と多いんですけど、お客さんがいてくれることが、こんなにも素晴らしいことなんだと、改めて感じました。

KENJI:今シーズンについて色々と話していきたいと思います。まだまだスポーツ界全体ではコロナの影響が大きいですよね。特別なシーズンになっていると思いますが、グランプリシリーズの中国杯がイタリアに変更、四大陸選手権も中国の予定でしたが、エストニア開催になりました。今シーズンは五輪のシーズンになりますが、日程についてはどうですか?

岡崎:全体的に前倒しになっています。四大陸がエストニアであるのも、結局ヨーロッパ選手権がそこで行われて、施設としてちゃんとできているから、選手たちがいなくなった後に、また同じところを使ってやり易いという特別措置としてエストニアで開催されることになっています。

KENJI:そういう中ですけど、選手たちは充分に練習できていますでしょうか?

岡崎:昨年と比べると、今年は世界的にもできている方じゃないかと話は聞いています。

KENJI:海外にも派遣されていますもんね?

鈴木明子さん

鈴木明子さん

鈴木:海外拠点の選手も戻れたりしていますが、隔離期間が国によってまちまちなので(難しい)。

KENJI:最初は2週間くらいでしたっけ? 今は10日?

岡崎:一応、2週間という括りなんですけど、10日経ったときにPCR検査を受けて陰性が出たら4日間を短縮できるということなので、実質10日間という形らしいですね。

KENJI:安全な方がいいですからね。その辺はきっちりされた方がいいと思います。試合のときにPCR検査で陽性が出てしまった場合はどうなるんでしょうか。試合後だと....

岡崎:報告があって、接触者を辿っていくことになると思います。

中庭:うかつに体調悪くなれなくなりましたよね。

KENJI:でも、毎日うがいと手洗いをすると、風邪ひとつ引かなくないですか?

鈴木:「ちょっと体調悪い」がなくなりますよね。

KENJI:それは良いことですよね。それを習慣づけていけば。競技会の方でも少しずつ観客を入れていく流れになっていますが、入るのと入らないのとでは違いますか?

中庭:めちゃめちゃ大きいと思いますね。選手も拍手一つで救われることがあるので。いま日本のお客様って、ジャンプ成功したときだけじゃなく、ジャンプにトライして、その結果失敗しても拍手をくださるので、それが後押しになって次に向かえます。それが、今はシーンとしているので、そういった部分では(観客の)力を感じます。

KENJI:拍手にも色々、種類がありません?「ワー!すごい!」っていうのと、「頑張って!頑張って!」っていうのと、あとちょっときつめの「ハイ、切り替えて!」みたいな。

今シーズンのルールについて

KENJI:今シーズンのルールについて話していきたいと思います。改めて確認させてください。

今シーズンのルール変更について

今シーズンのルール変更について

岡崎:ほぼ変わったところが無いんですよね。もちろんジュニアのショートプログラムの内容が、単独ジャンプがフリップになって、フライングスピンがシットスピンになって、みたいなローテーションで変わる変更はあるんですけど、それ以外に説明できることが無い。昨シーズンのおさらいというか、復習しましょうね、という感じになりますかね。

鈴木:変わらなかった理由としては、コロナ禍で国によって練習ができなかったりというのが大きいんですよね?

岡崎:そうですね。だいたい基本的には五輪シーズンには大きく変えないと決まっていて、2年おきで大きな改正があるんですが、一応それを試みたら、コロナの騒ぎで大変なことになってしまったと。練習環境が国によっても違うし、選手たちも公平に練習できていないところで、無理難題を押し付けてもフェアじゃないということで、一回出たコミュニケーションが引っ込んで、今まで通りにしましょうねということろで落ち着いたのが、そのまま五輪シーズンまで繋がったかなというところです。

中庭:ルールが変わらないと同じことをやりがちなので、それだとなかなか(選手は)上手く伸びていきません。個人的にはルールと関係ないところで少し変化を加えた練習を与えたりしています。例えば、スピンもこれで4取れるから良いじゃなくて、別のバリエーションであったり、別のやり方で4を取ってみようみたいな、改めて変化を求めることをやりました。

KENJI:ルールの改正がないからこそ、違うことをやると。それはやっぱり上手くなりますよね。そんな中でも、先シーズン、ルールの変更が少しありましたので、それを少し詳しく説明していただきたいんですけど、今回はちょっと明子ちゃんにアシスタントをしてもらえるということで、よろしくお願いします。

鈴木:任せてください。それでは、一つ目!まずはこちら!ジャンプです。

ジャンプ

ジャンプの価値尺度(SOV)

ジャンプの価値尺度(SOV)

岡崎:基礎点の変更はありませんが、回転不足の判定が、前はアンダーローテーションとダウングレードの二つだったのが、ちょうどクオーター「q」という、1/4回転の不足というのが増えまして、基礎点は下がらないけど、GOEのマイナスがあるということが一つ増えました。それに伴って、アンダーローテーションとか、ダウングレードのGOEのマイナス具合もちょっと変更になったりとか。クオーターが入ったことで、ちょっとずつマイナス度合いが大きくなっていったという変更が一番大きいところかなと思います。

鈴木:以外とクオーターが多いなと思いました。

岡崎:我々は便宜上、1/4と言いますが、ルールを見たら“ちょうど”という表現が全くない。なんとなくイメージすると、360度のうちの90度って思いがちなんだけど、1/4くらいと言うと語弊がありますが、クリーンではない、でもアンダーまではいっていないからクオーター、みたいな使い方を世界的にはしているかなと思います。日本人は細かいので、ぴったり1/4なんてっていうので、判定するときに嫌う方もいらっしゃるんですけど、我々は割と便利に使っている派かなと。

KENJI:4回転トゥーのクオーターって書くときはどうやって書くんですか?

岡崎:「4Tq」。ループとかだと「4Loq」。ちょっと見慣れない感じですけど。もっと見慣れないのが「3Lzeq」(トリプルルッツロングエッジクオーター)。以前のアンダーとかダウンみたいに、大なり小なりじゃなくなって、アルファベットになったので、ズラズラと繋がっているように見えますね。

KENJI:ルールの変更によって選手にはどんな影響がでますか?

岡崎:パンクとか抜けちゃいがちな選手はどうしても回った分しか評価されないのでシングルになったり、前は1/4でもアンダーだったので、基礎点も減って二重減点みたいだったところが、ちょっとだけ足りないんだよねという選手に関しては、クオーターで基礎点が減らないのと、GOEも少なめなので、そんなに損をせずに得点を稼ぐことができます。積み重なったときにアンダーがいっぱい付くよりは、クオーターで収まっているときの方がやっぱり得点にも表れてくると思います。それが基礎点の大きなものになればなるほど、その差もちょっと大きくなってくると思います。

中庭:特にコンビネーションのセカンドとか、頭のジャンプは回転数が多いので頑張るんですけど、セカンドのダブルトゥーとか、サードジャンプのダブルループとか、緩んできたときにやっちゃうと付いちゃう。

鈴木:特に3連続の最後とかで付いている選手もいますよね。

KENJI:難しいですね。

スピン

KENJI:スピンに関してはどうでしょうか?

スピンで注意したいルール

スピンで注意したいルール

岡崎:昨シーズンも話しましたが「難しい入り方」だけじゃなくて「難しい出」というところもカウントされることになったんですけど、僕もスペシャリストとして活動した試合が昨シーズン少なかったので、実際にこれで取ったことがなくて、曖昧だなというところはあります。ただ、ISUのホームページにこういう例がありますというサンプル動画が出ています。

KENJI:サンプルの動画ではどんなことがされているんですか?

岡崎:トウアラビアンで出たりとか、Y字のポジションで脚持ってスピンを回っているバリエーションから、そのまま脚持ったままバック回転なんだけど、タックしてジャンプして降りて出るとか。

鈴木:難しい。

KENJI:スピンだけど、スピンじゃないところで(難しい)。

岡崎:あとは出たあとにそのままの脚で難しいターンの組み合わせをして出るとか。やり易いものとやりにくいものがもちろんあると思います。

KENJI:中庭先生はその辺の指導はどうしています?

中庭:僕らは選手一人ひとりが点数を上げるために考えていくので、レベルを取ることももちろんですけど、GOEのことも考えていきます。そのバランスがちょっと難しいですね。これでレベルは上げられるけど、リスクが増したり、不安定性が出ているようであれば、GOE重視にする決断に至ることもあるので、「難しい出方」というのは、スピン回ってジャンプしながら出るとかもあるんですけど、それで体勢を崩してしまえば、レベルはもちろん取れないし、GOEもマイナスがあります。常にリスクと背中合わせなので、選手がのびのび演技ができるように意識しながら、練習はさせますけど、最終的には元に戻したりしてシーズンを送っています。

ステップ

岡崎:ステップはなにも変わっていません。先シーズンではないですけど、前までクラスターはリズムに乗っていなければいけなかったのが、とにかく流れるように、フローが続いてさえすればリズムがなくてもいいという変更があって以来はなにもない。現状のままというところです。

KENJI:クラスターに関しても特に変更はないですか?

岡崎:左足で1回、右足で1回、最初に行ったものを評価するというところ。一応、だいたいロッカー、カウンター、ツイズルみたいな感じで三つのターンだけで終わる選手が多いですが、時々4つのターンとか5つのターンを連続でしている選手がいます。前半にやった3つだけじゃなくて、後半の3つとか5つとかだったら、中の3つとかでも取れなくはない。ただ、1回目に失敗したから、2回目もう1回やって取りに行くということはできなくなっています。そこに関しては従来通りです。

KENJI:簡単なターンの方がやり易いけど、ミスもし易くないですか? 難しいとすごい丁寧にするから。難しいクラスターとかってあります?

岡崎:すごい難しいのにチャンレジしている人がいて、カウンターからループに繋げるのはよくありますが、ロッカーモーションのあとにループをやって、そのあとにカウンターで戻る。

ステップでおさえておきたいポイントを解説

鈴木:ループのあとって繋げるの難しくないですか?

岡崎:僕、下手くそなんですけど、ループやったあとって反対向いているから実はカウンターとかブラケットやりたい派なんです。スピードに乗ってループを描くから、そのまま流れでぐるんといっちゃいますけど、ループは必ず終わったあとに戻っているから、反対向いてる。だから、私はループを戻したあとは、ブラケットとかカウンターとかの方に行きたいですね。

KENJI:僕が見たのは、フォアインカウンターからバックインループを2つ。これ、難しくないですか? それでレベルが取れたかどうかは分かりませんが。このループ2つはできそうですが、ツイズル2回を続けるのは難しいんですかね?

岡崎:1回ブレイクを入れたら大丈夫だと思う。回転動作は止めるけど、フローが止まってなければOKなので。

中庭:ちなみに、競技会でやっている選手もいました。ツイズル・ツイズル・ループ。

鈴木:フリーレッグを一回横にする? じゃないとずっと繋がっちゃいますもんね。

岡崎:フォアアウトツイズルで入って、2個目はバックインツイズルにするとか。ツイズルって回転始まっちゃったらバックでもフォアでも終わるので。やっぱりレベル取る取らないの話になったときに、なるべくちょっとずつ安全なので行っておこうかなという傾向なので、できればバラエティーに富んだものだと、こちら側も見ていて「お!」と思ってしまいます。そこは楽しみにしたい。オリジナリティーのところはジャッジの人たちにGOEに反映して欲しいなという思いがあります。「こんな変わったクラスターやってるんだよ?」みたいな気持ちはあります。我々はちゃんとできているかどうかを見るだけなんですけど。

鈴木:意外とチョクトゥって落としがちなところでもあるのかなと思います。選手によってバックからの方がちゃんと描ける人と、フォアでいかないとダメな人がいますし。結構、チョクトゥは気をつけなきゃなと思います。

岡崎:フォアアウトチョクトゥを入れる選手が多いんですけど、結局フォアインサイドになってやるからモホークなんですよね。それで取ってないことはあります。見てますよ、ちゃんと。


文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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