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【レビュー:ISU欧州フィギュアスケート選手権2020 ペア】ロシア勢が表彰台独占。コズロフスキー「僕らは過去を振り返らない。常に未来に向かって進んでいる」
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部2位 エフゲーニヤ・タラソワ/ウラジミール・モロゾフ(ロシア)
2020年欧州選手権では、ロシアが全4カテゴリで優勝をさらった。しかも全部で12ある表彰台ステップのうち、なんと10をロシアが占めた。中でも女子とペアは金銀銅をロシアが分け合い、フィギュアスケート古豪としての底力を見せつけた。
中でも現役ロシア最多の、6年連続ヨーロピアン表彰台乗りを成し遂げたのがタラソワ/モロゾフ組だ。欧州制覇は2度経験があり、3年連続ワールド表彰台の実力者にとって、銀メダルは必ずしも満足の行く結果ではないかもしれない。特にSPではリフトでヒヤリとする場面もあり、FSでは2度のソロジャンプでミスを犯した。
ただし2人は、むしろポジティヴな面を見つめる。
「プログラムの『解釈』や表現力、スケーティングスキルに練習時間をたくさん割いてきました。バレエレッスンもしました。僕らにとって、今までとはまったく異なる試みです」(モロゾフ)
「今大会はベストではなかったし、技術的なミスもありました。でも良いプログラムを『演じる』ことが出来て、満足しているんです。ジャンプの出来よりも、今回はプログラムの出来に集中してきましたから」(タラソワ)
今季から練習拠点をアメリカに移し、新コーチ・ズエワのもとでトレーニングを積んできたタラソワ/モロゾフは、新しい世界感を作り上げている最中だ。しかも独特の緊張感に引きずり込まれていくSP「Bolero」は、2人にとって、キャリアを代表する名プログラムになる可能性を秘めている。
「私たちが正しい道を歩んでいることは分かっています。あるべき場所に、すべてはおさまるのです」(タラソワ)
3位 ダリア・パブリュチェンコ/デニス・ホディキン(ロシア)
1年前の銅から金へと躍進したボイコワ/コズロフスキー組にならって、パブリュチェンコ/ホディキン組も、昨大会5位から3位表彰台へとジャンプアップを成功させた。
2人の魅力は、やはり身長差を活かしたとびっきりアクロバチックなエレメンツの数々だろう。特にFS「Tron: Legacy」でのリフトやスロージャンプのオリジナリティあふれるイン&アウトは、何度見直しても..やっぱり驚愕しかない!
ただFSでは「大きな失敗がひとつと小さな失敗がひとつ」とパブリュチェンコが言ったように、残念ながら完璧ではなかった。がっかりはしていない。むしろ初めての欧州メダルに、2人ともニッコニコだ。
「だって僕らのキャリアは始まったばかり。むしろ今大会で自分たちがどこれからどこを鍛えていくべきなのか、どこを磨き上げるべきなのかがはっきり見えた」(ホディキン)
それに2年前のジュニア世界チャンプ組は、「欧州上位入賞→世界選手権代表決定」という課題を見事にクリアした。3月には大人の部の世界選手権に初挑戦する。
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