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坂本花織
5位につけたのは全日本女王たる坂本花織。ショートではダイナミックなジャンプと繊細な表現で自己ベストを更新し2位につけたが、フリーでは緊張からか、プログラム後半の得意とする3フリップが1回転になってしまった。ミスした後、すぐに気を取り直して、きれいなスピンと感情が昂ぶるコレオシークエンスを披露し、最後の3ループで2トゥーループをつけて失点を最小限に抑えたが、ハイレベルな今大会ではそれでも大きすぎた。しかし、この演技は決して悪いわけではないし、演技構成点では目標としていた9点台にも乗ったので、ぜひこの経験を活かしこれからもさらなる活躍を見せてほしい。
宮原知子
先日21歳の誕生日を迎えたばかりの宮原知子は、今大会に出場した女子選手の中ではもはやベテランだ。そして、彼女が今大会で見せたスケーティングは、筆者から見ればやはり最も成熟で、最も優雅だった。「Tiny Queen(小がらの女王)」と愛称が付けられたように、宮原は女子スケーターの中でも一番小がらのほうだが、氷上で滑り出すと、まさにショートプログラム「子雀に捧げる歌」の題名のように、子雀の如く自由に飛んでいるように見えた。ジャンプで高い加点を稼げず、かつミスしたこともあり最終的に6位にとどまったが、彼女の2つのプログラムとも何度も見たいものだ。
その他、7位はブレイディ・テネル、8位は欧州女王ソフィア・サモドゥーロワ、9位はマライア・ベル、そして10位はイム・ウンスと続く。この4選手も完成度の高い演技を2つ揃え、200点超えの高得点を叩き出した。
今大会の結果を見ると今の女子シングルの競争は本当に激しく、高い完成度が求められる一方、より一層高いところを目指すにはいよいよ3アクセルや4回転を必要とする日が近づいてきている予感がする。
ウェイ・ション
中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。
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