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近年の男子シングルのテーマは、間違いなく「4回転」だが、今年の四大陸選手権のエントリーリストを見れば、多種類の4回転をバンバン跳ぶ選手はそれほど多くはいない印象を受ける。
つまり、今大会の表彰台争いの鍵となるのは、むしろ「バランス」と言えよう。
難しいジャンプをどれほど高い質で完成できるか、それに加えてどんなスケーティングを以てプログラムのストーリーを表現できるか、この2つのポイントをバランスよくまとめる選手が上位に立つだろう。
宇野 昌磨
先頭に立つのは、言うまでもなく先シーズンから出場したすべての大会で表彰台から落ちたことのない宇野昌磨だ。
多種類の4回転が跳べるからこそ、今季のジャンプの構成でいろいろ試行錯誤してきたが、大会前のインタビューによると、今回はあえて難易度を下げ(と言っても合計3種類6本を予定している)、プログラムの完成度に注力したいようだ。
ショートプログラムの「四季」は、抑揚がある管弦楽で、彼の滑らかな滑りと、メリハリのあるパフォーマンスによく合う。
フリーはオペラ「トゥーランドット」より、「このプログラムで演技するのが当たり前になってきた」と自信満々に自己評価した彼は、きっとパワフルな歌声に合わせたダイナミックな演技で観客を盛り上げるだろう。
田中 刑事
全日本で銀メダルを獲得し、見事に五輪代表として選出された田中刑事は、今シーズンで試合の度に調子と成績を上げてきており、今大会での演技もとても楽しみだ。
成長の鍵は「練習」。
大会の前に体が動けないぐらいギリギリまで練習することで、本番に出る時は身軽になり、緊張しすぎずに演技できるという。
このような方法で自分ができる最高のパフォーマンスを本番で出せるものと確信しているようだ。
去年の四大陸で不本意な13位に終わった彼は、今回こそ実力を出し切り、ベストな演技で上位を狙いたい。
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