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ラグビー コラム 2026年9月9日

京都産業大学、大学選手権ベスト4の壁を越えられるか。変化を加えて挑む新シーズン。ラグビー関西大学リーグ

ラグビーレポート by 明石 尚之
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石橋チューカ(京都産業大学)

京都産業大学は廣瀬佳司監督就任以降、全国大学選手権で5シーズン連続の4強入りと好成績を維持している。初のファイナル進出、そして悲願の日本一への思いは強い。

ラグビー 関西大学リーグ 2026

今季は、1年時から主軸を担ってきたLO(ロック)/FL(フランカー)石橋チューカをキャプテンに据え、髙木城治と村田大和のSH(スクラムハーフ)2人でバイスキャプテンを担う体制で「壁越え」に挑む。廣瀬監督は3人に決めたわけを、こう述べる。

「石橋にはFW(フォワード)をどんどん引っ張っていってほしいし、強いFWを作ってもらわないといけません。昨年リーダーをお願いした時は一度考えさせてほしいと言われましたが、今年はすんなり受け入れてくれました」。

「自分がやらないといけないという自覚があったと思います。(口下手と言われるが)自分の熱い思いをしっかり話してくれるし、村田と髙木がよく喋るのでバランスは取れていると思います」。

昨季は夏までキャプテンを定めず、異例の10人リーダー制を採用した。練習前にコーチ陣とメニューの内容や方向性をすり合わせるなど、密にコミュニケーションを図ってきた。今季は幹部3人を新チーム始動時に指名したが、彼らを含めたリーダーを10人置く布陣は変えずに良い文化はそのまま残した。

指揮官はリーダーたちの提案を受け、春の重点強化ポイントを「ディフェンス」と「セットプレー」に設定。その成果は関西大学春季トーナメントでも発揮された。初戦から苦しい戦いが続いたが、立命館大学に19-7、近畿大学に27-26、そして天理大学との決勝では28-24と、いずれも接戦を粘り勝ち。2年ぶりの春王者となった。

それでも、廣瀬監督は「良くはなってきているけど、もっと強みにできるはず」と満足しない。

「秋は逆転される可能性が十分にあります。他のチームよりもわれわれがチーム力を伸ばせるように気を引き締めないと。苦しい展開や疲労の溜まった終盤でも、自分たちがこだわってきたことをしっかりやれば勝てるんだ、というマインドを作っていきたい」。

5月からは、このほど女子日本代表のヘッドコーチに就いた元日本代表LOの北川俊澄氏をスポットコーチに招聘。「新しいことを取り入れたい」と、マイナーチェンジを施している最中だ。

スクラムでは、これまで右PR(プロップ)がHO(フッカー)の肩の上に腕を回す独特なスタイルを貫いてきたが、オーソドックスな組み方も採用している。廣瀬監督いわく、「選手それぞれの好みや対戦相手によって変える」が、「対策されると前に出られない課題があった」とその意図を語る。

そのスクラムで要となるタイトヘッドPRは、佐名木風雅と八田優太のU23日本代表によるハイレベルなポジション争いが繰り広げられている。春夏はフィールドプレーの光る八田をベンチに置き、インパクトプレーヤーとして起用してきた。

左PRは、4年生の小林龍昇が当確。「リーダーとしての自覚が出てきた」と廣瀬監督も評する。HOは濱田素良と角方温太の東海大大阪仰星OBが春からメンバー入りし、昨季主力を張った福留斗生が前十字靱帯断裂の大ケガから復帰して夏から競争に加わった。

石橋主将とともに、強化してきたディフェンスで軸となるのはFL髙木彗那だ。BK(バックス)では、平山尚樹と12番を争う金子健伸が果敢に突き刺さる。WTB(ウィング)を主戦場としてきた乗松龍志も、アウトサイドCTB(センター)で防御面の成長を評価され、レギュラーの座を掴んだ。

ラグビー関西大学リーグ 2026

一方で課題として挙がったのは、ゲーム運びや決定力。今季のアタックのタクトを振るうSO(スタンドオフ)は、夏も競争を続けている。春にもっとも起用されたのは朝野楽だ。強みのキックで京産大の十八番の形に持ち込んだ。

「ディフェンスやセットプレーでプレッシャーかけてペナルティを取り、朝野のキックで前進してスコアするシーンがたくさんありました。ただ、ディフェンスやボールの動かし方はまだまだ課題。そこは太田が秀でています」。

太田陸斗は昨季、WTBやFB(フルバック)もカバーするユーティリティBKとして主に控えからインパクトを残した。大学選手権の準決勝では、負傷した吉本大悟(現・花園近鉄ライナーズ)に代わって10番に抜擢される器用さを見せていた。

さらに、昨季U20日本代表で本職はCTBの神拓実が夏に復帰。菅平では関東勢との練習試合で背番号10をつけ、その争いを加速させている。また、バックスリーでは、同じく夏から戦列に戻った宮里快一の復調が待たれる。

SHの2人がともに世代を代表する選手なだけに、外側の決定力が高まれば看板のFWだけでなくBKのアタックも脅威となるだろう。

文:明石尚之/Photo by Yuuri Tanimoto

明石 尚之

1997年生まれ、神奈川県出身。筑波大学新聞で筑波大学ラグビー部の取材を担当。2020年4月にベースボール・マガジン社に入社し、ラグビーマガジン編集部に配属。リーグワン、関西大学リーグ、高校、世代別代表(高校、U20)、女子日本代表を中心に精力的に取材している。

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