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ラグビー コラム 2025年1月15日

早稲田大学、後半に力尽き大学日本一に届かず。ラグビー全国大学選手権

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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大学日本一にあと一歩届かなかった

冬晴れの秩父宮ラグビー場に集まったのは1万9000人の観衆。早稲田大学は、ラストゲームとなる全国大学選手権の決勝に臨んだ。対するは4連覇を狙う王者・帝京大学

最強の敵との死闘は、前半から激しい動きを見せた。早い時間に帝京大が2トライを先制するも、すぐさま早大が反撃。23分までに2点差まで追い上げた。終盤、突き放しにかかる帝京大に攻め込まれるも、堅いディフェンスでアタックラインを押し返し、ピンチを凌いで前半を終えた。

後半に入るとすぐにPG(ペナルティゴール)で逆転に成功する。しかし、その後は思うように攻撃を展開できず、帝京大に連続得点を許し、15-33とシーズンを悔しい敗戦で終えた。

ラグビー 全国大学選手権 24/25

前半、早大は帝京大に先に流れをつかまれる。開始1分のファーストスクラムでペナルティを奪われ、早大陣地深くまで攻め込まれる。このピンチを中盤まで押し戻すも、アンストラクチャーの場面から、右サイドの帝京大FL青木恵斗がゲイン。ライン際の攻防から内側にボールをつながれ、そのままインゴールを割られた。

さらに8分のスクラムでも早大が反則。フリーキックからFW(フォワード)に押し込まれ、青木に追加点を許した。それでもゲームを立て直すことができるのが今年の早大。すぐさま反撃に転じた。

FB矢崎のトライを喜ぶ選手たち

15分に敵陣ゴール前ラインアウトのチャンスを得る。モールからすぐにボールを展開するとCTB(センター)福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)が勢いよくディフェンスに仕掛ける。コンタクトの瞬間にバックフリップパスを放ち、横に走り込んだFB(フルバック) 矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が、この日初めてのチャンスをものにした。

さらに23分、敵陣22mライン上でのラインアウトから、ボールを大きく展開する。速いテンポで連続攻撃を仕掛け、外側に数的有利を作り出すと、そのスペースにSO(スタンドオフ)服部亮太(スポ1=佐賀工)が長く鋭いパスを通す。ボールを受け取ったCTB福島から大外のNO8(ナンバーエイト)鈴木風詩(社4=国学院栃木)に渡ると、タックルを受けながらもゴール左隅に飛び込んだ。

早大が2点差まで迫ると、その後はこう着状態が続く。迎えた終盤、帝京大の勢いが加速。早大は自陣で何度もピンチの場面を迎えた。36分には自陣深くで、帝京大の波状攻撃が襲う。

しかし、出足の早いディフェンスで徐々に押し返し、21フェーズ続いた長い攻防の末、帝京大のミスを誘った。まさに1年間磨き続けてきたディフェンスの集大成。完璧な守備でピンチを凌ぎ切り、12-14で試合を折り返した。

ラグビー 全国大学選手権 24/25

後半は開始早々に帝京大が反則を犯し、早大が敵陣でPGのチャンスを得る。チームの選択はショット。CTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)がゴールを決め、逆転に成功する。

しかし、その後はうまく反撃の流れに乗り切れず、6分にトライを返され、再びリードを許した。その後は20分間スコアが動かず、一進一退の激しい攻防が続いた。その間に早大はSH(スクラムハーフ)宮尾昌典(スポ4=京都成章)と、HO(フッカー)安恒直人(スポ4=福岡)を投入。

実力のある4年生による流れの変化に期待した。しかし、先にゲームを動かしたのは帝京大だった。早大が思うようにゲームを進められない時間が続く中、25分のスクラムで早大が痛恨のペナルティ。ゴール前ラインアウトのピンチを招くと、アタックを継続されリードを広げられるトライを献上した。

15-28となり、逆転には2トライ2ゴールが必要になる展開で終盤を迎える。逆転を目指して攻撃を仕掛け続ける早大だったが、徐々に勢いを増す帝京大ディフェンスの圧力に押し返され、自身のミスも重なり、得点につなげることができない。

焦りが見え始めた37分、帝京大が中盤からパスを細かくつなぎ大外でラインブレイク。そのままディフェンスを振り切られ、ダメ押しとなるトライを奪われた。その後、ノータイムの中でも果敢に帝京大陣地に攻め込む早大だったが、最後まで王者の牙城を崩すことは叶わなかった。最終スコアは15-33。無念の敗戦で悲願の日本一を逃した。

磨き上げたディフェンスを存分に発揮し、粘り強さを見せつけた前半。しかし、もう1つの武器であるスクラムでは相手に主導権を握られ、流れを引き寄せられない苦しい展開が続いた。

ラインブレイクするHO佐藤健次主将

「22m内に入ってもスコアできなかった」と佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が悔しさを滲ませるように、後半はさらに圧力を強めた帝京大のディフェンスに阻まれ、好機を生かしきれなかった早大。

それでも、「歴代の中でも本当に素晴らしいキャプテンだった」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が語るように、この1年間で佐藤が築き上げた『強い早稲田』は、間違いなく日本一を狙えるチームへと成長を遂げた。

作り上げた礎は確かなものであり、次世代の早大を支えるプライドになるだろう。これからも続く早大の挑戦を見届けていきたい。

文:西川龍佑/写真:安藤香穂、村上結太(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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