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その言葉通り、この戦いはチャンピオンシップではなく、交流戦の扱い。選手のモチベーションは上がりにくいし、怪我を抱える選手、疲れのたまっている選手などは起用しないことになる。4試合終了後、リーグワンの東海林理事長が報道陣の質問に答えた。「2月だと日本のチームに負担が大きいことは改めて認識しています。一方で、将来によりよい形にしていくステップが踏めるのであれば、来年もやりたい気持ちがあります」。
来年以降の開催は未定。リーグワンとスーパーラグビーが終了する6月に両リーグの上位チームが集って優勝を争うのが理想だが、代表戦を直前にした時期で実現は容易ではない。リーグワン各チームの同意が得られれば、今年と同時期の開催が現実的かもしれない。オーストラリアも含めて各国の思わくもからむが、実現の方向で議論を進めてもらいたいと思う。
2021年に日本のサンウルブズがスーパーラグビーから脱退して以降、多くの日本選手がスーパーラグビーレベルを体感する機会を失った。そのことが、2023年ラグビーワールドカップで日本代表がプール戦で敗退した要因のひとつだった。東京SGの試合序盤の連続失点は、スーパーラグビーの強度を経験していない選手が多かったことも要因だろう。しかし、この経験により、東京SGの若い選手の意識は引き上げられたはずだし、他の3チームでも、目指すべきものの高さを痛感した選手が多かっただろう。リーグワン後半戦の戦いの様相すら変える大きな影響があったと感じる。
ニコラス・サンチェス(東京サンゴリアス)
リーグワンには世界のスーパースターが集い、日本の若い選手に良い影響を与えているが、ニュージーランドで頭角を現してきた若い選手と戦い、刺激を受ける機会は貴重だ。異質のラグビースタイルを体感することはリーグワンの選手だけではなく、コーチング、レフリングのレベルも引き上げることになる。
今後は試合の価値自体をどう上げていくかが重要だ。単なる交流試合であれば観客数は伸びないし、モチベーショもチームの考え方次第になる。優勝トロフィー、賞金などを設定するのも一案だ。チームとして目指しがいのあるもの、観客にとって、お金を払ってもスタジアムに足を運びたくなる試合にしていかなくてはいけない。踏み出した一歩をこのまま終わらせないように知恵を絞りたい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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