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ラグビー コラム 2023年7月12日

~「進化するフェラーリ」3度目のRWCへ挑む松島幸太朗~ 「チームのレベルが上がってきている」

“最強ラガーマン”列伝 ~ラグビーW杯2023~ by 多羅 正崇
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30歳になったFB/WTB松島幸太朗は、進化を止めない。

4年前のラグビーワールドカップ(RWC)2019日本大会後、「フェラーリ」と称賛されたスピードスターは、2020年から仏国内最高峰TOP14に挑戦。強豪クレルモンで、フィジカリティやキックスキルを高めてきた。

2022年度は古巣の東京サンゴリアスに復帰。強気なタッチキックや、7月8日のAll Blacks XV戦(6●38)でも見られた自陣脱出のキックなど、キッカーとしての進化を証明している。

南アフリカ代表を撃破したRWC2015、そして、初の8強入りを成し遂げたRWC2019。近年のジャパン躍進に貢献してきた万能バックスが、いよいよ自身3度目、9月開幕のRWC2023フランス大会へ挑む。

今回のJSPORTS単独インタビューで、松島は前回大会からのチームの成長にも言及した。

「(RWC2019での日本代表は)やってきたことを一人ひとりが行動に映して、思う存分に戦術を遂行できたことが良かったです」

「(4年前と比べると)チームが一体になっている感じはします。前回を経験している選手に質問してくれる選手もいますね。チームのレベルが上がってきていると思います」

「バックスもよりフィジカルな選手が増えてきたので、そこは頼もしいです」

では松島個人としての成長、進化はどうか。

「この4年間で成長したと思うところは『人を使いながらアタックする』というところ。10番を使っていきながら、チャンスあるときは一人でいく、といった意識です」

2023年の日本代表バックスリーには、24歳のWTB木田晴斗など若手も入った。2大会経験者として、後進の育成にも積極的だ。

「(若手には)テストマッチ、ワールドカップで大事なのは『ポジショニング』と伝えています」

現在の日本代表は、どこにスペースが生まれるかといった展開の“予測”が強化ポイントの一つ。ポジショニングはそこに紐付いたスキルだろう。

日本代表はRWC2023での目標に「優勝」を掲げている。

しかしRWCイヤーの代表活動期間は、4年前と比べて半分以下の約3カ月。不安材料にも思えるが、松島は「心配はない」と話した。

「リーグワンもレベルの高い試合が多くなってきています。そこは心配するところはないです。(代表のラグビー等を)分かっている選手もいるので補うこともできます。一日一日を無駄にしないように意識して練習しています」

6月12日に浦安で代表合宿をスタートさせた日本代表は、7月初旬より宮崎に移った。

RWCイヤーの強化試合は計6試合(国内5連戦、国外1試合)だ。

 

ノートライで敗戦したAll Blacks XVとの第1戦が終わり、今後は同チームとの第2戦、サモア・トンガ・フィジーとの国内3連戦。そしてイタリアでの同国代表戦を予定している。

「(強化試合の位置づけは)自分たちの立ち位置、やってきたことをしっかり出せるかどうか、という部分。遂行力はワールドカップへ向けてキーポイントになります」

強化試合で“遂行”しなければならないポイントは、やはり重点強化してきたタックルだという。

「(浦安合宿で重点的に取り組んだ)タックルの技術を出せるかどうか、ですね。一人ひとりじゃなく、みんなで出せるか。戦術が頭に入った状態で、行動として移せるかが重要です」

7月22日(土)に行われる国内3戦目の相手は、RWC本大会で戦うサモア代表になる。

その意気込みを訊ねられると、RWCというデス・ゾーンの経験者は、テストマッチとワールドカップは別です、と言った。

「テストマッチとワールドカップは別の試合になります。テストマッチではある程度思いきったプレーができます。その思いきったプレーをワールドカップで出すために、最大限チャレンジしていきたいです」

同じくRWC本戦でぶつかる相手についても訊ねた。9月18日のプールステージ第2戦では、昨秋13-52で大敗したイングランド代表と激突する。

「(イングランド代表は)フィジカルが強くて、キックを上手く使ってくるチーム。そのフィジカルから逃げずに、自分たちから仕掛けていけば有利なゲーム展開になると思っています。フィジカルから逃げないことが重要です」

同じくフィジカルを強みの一つとするのが、プールステージ最終戦で相まみえるアルゼンチン代表だ。

「アルゼンチンもフィジカルが強く、個人個人が走れる。タックルで一発で仕留めて、自分たちから仕掛けてプレッシャーをかけていきたいです」

一つひとつの衝突から逃げず、強化したタックルで確実に仕留める。途方もないハードワークのその先に、世界一という頂きがある。

「最後はやっぱり気持ちの部分です。みんな疲れている中では、やはり気持ちが大事になってくる。その気持ちを一人一人切らさず、引き続き戦っていきたいです」

ジャパン躍進の歴史と共に歩み、進化を続けてきた松島幸太朗。3度目のRWCで、前人未踏の偉業達成はなるか。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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