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ラグビー コラム 2023年6月5日

【ハイライト動画あり】岐阜で行われた「春の早慶戦」。慶應義塾大学の追撃を振り切り早稲田大学が勝利。岐阜県ラグビー祭

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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春の早慶戦

今年秋のラグビー関東大学対抗戦で100回目を迎える、早稲田大学慶應義塾大学の「早慶戦」。その前哨戦とも言える「春の早慶戦」が6月4日(日)に「バロープレゼンツ 2023 岐阜県ラグビー祭」のメインゲームとして、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われた。

昨秋の「早慶戦」は早稲田大学が19-13で接戦をものにした。また、昨年の「春の早慶戦」は栃木で戦い、こちらも早稲田大学が38-21で勝利している。午前10:30からは同会場で、第71回岐阜県高校総体兼第70回東海高校総体県予選の決勝が行われ、花園常連の関商工が55-24で岐阜聖徳学園を下して優勝した。

昨季、大学選手権準優勝のアカクロジャージーの早稲田大学(昨季対抗戦3位)は、大田尾竜彦監督の就任3年目のシーズンを迎えて、春からレスリングトレーニングを復活させるなど、ブレイクダウン、タックルにこだわって練習を重ねてきた。

一方、昨季は大学選手権ベスト8のタイガージャージーの慶應義塾大学(対抗戦4位)は、今季からOBで名タックルラーとして活躍した青貫浩之監督が就任し、「身体を当てることを重視している」と話した通り、伝統のタックルはチームの武器である。

互いにコンタクト、接点にこだわる両チームの激突は、午後1:00にキックオフ。序盤から締まった内容となる。早稲田大学がスクラムで優位に立ち、相手の反則から、2度ゴール前でスクラムを選択したが、慶應義塾大学のディフェンスの前に得点を挙げることができなかった。

しかし前半13分、ゴール前で相手ボールのスクラムをターンオーバーし、そのボールをSH(スクラムハーフ)宮尾昌典(3年)から、U20日本代表CTB(センター)野中健吾(2年)につないで中央左に先制トライ。キャプテンのSO(スタンドオフ)伊藤大祐がゴールを決めて7点をリードする。2分後、すぐに慶應義塾大学も相手陣でPG(ペナルティゴール)のチャンスを得て、SO永山淳(4年)が決めて7-3とする。

岐阜県ラグビー祭2023

【ハイライト動画】早稲田大学 vs. 慶應義塾大学

その後はキック合戦となり、やや膠着した状態となるが、アカクロのキャプテンが個人技で魅せる。相手のキックを自陣22m内で伊藤はフェアキャッチ。クイックタップから自らリスタートし、40mほど走ると裏にキック。そのボールを自らキャッチし、右隅にトライ(12-3)とリードを広げる。前半はそのまま早稲田大学が12-3とリードしてハーフタイムを迎えた。

後半、先に得点を挙げたのはリードしている早稲田大学だった。後半5分、ラインアウトからボールを大きく動かして攻め込み、中央でラックを形成。裏から走り込んだルーキーWTB(ウイング)矢崎由高(桐蔭学園)に、SH宮尾が背面パスを通してゲイン。副将のFL(フランカー)永嶋仁(4年)、HO(フッカー)佐藤健次(3年)とつないで佐藤が中央にトライ。ゴールも決まって早稲田大学がリードを16点差に広げる。

さらに19分、相手陣に攻め込んだ早稲田大学はゴール前で見事なカウンターラックを見せてボールを奪い返し、SH宮尾が相手ディフェンスラインのギャップを突いて、そのまま中央にトライ。26-3とさらにリードを広げた。

23点差をつけられた慶應義塾大学だが、ここから意地を見せる。25分、後半は安定したスクラムを起点に、FL田沼英哲(3年)が強さを見せ、相手タックルを外してそのまま中央にトライ。SO永山のゴールも決まって16点差。さらに29分、相手陣22mのラインアウトからモールを形成、BK(バックス)陣も加わって最後はHO中山大暉(3年)が右中間に押さえてトライ。9点差と追い上げを見せる。

その後は慶應義塾大学はスクラムでペナルティを得るなどしたが、得点ボードは動かず、早稲田大学が26-17で勝利した。早稲田大学は最後の20分、リードしてからのゲームメイクに課題が残った試合となり、慶應義塾大学は前後半とも相手に先にトライを取られて追う展開となったことが悔やまれる。

試合後、スーパーマーケットを運営する株式会社バローより両チームに飛騨牛10kgが贈られた。また、トップリーグやリーグワン、大学ラグビーなど数々の試合を担当してきた木村陽介レフリーがこの試合を最後に引退。記念撮影が行われ、両チームが花道を作って送り出した。

今春もしっかりライバルに競り勝った早稲田大学。現在2勝1敗で4位につけている関東大学ラグビー春季交流大会Aグループは残り2試合。6月11日(日)に早稲田大学グラウンドで流通経済大学(昨季関東大学リーグ戦2位)、25日(日)に王者・帝京大学(対抗戦1位)と対戦する。

一方、今季も接戦に持ち込んだものの敗れた慶應義塾大学は、春季交流大会はBグループに属しており、3勝1敗(勝ち点14)で3位につけている。6月11日(日)には、「CHUBU UT Field」(筑波大学グラウンド)で、勝ち点で並び2位につけている、昨季大学選手権ベスト4の筑波大学(対抗戦5位)と激突する。

春季大会も残りわずか。その後は夏合宿を経て、9月にラグビー関東大学対抗戦が開幕する。11月23日(祝・木)には100回目の節目の「早慶戦」まで、両校ともにどこまで成長するか、今から楽しみだ。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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