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2019年日本大会 プールA 日本 vs. アイルランド
2019年日本大会はラグビーファンにとって至福の時間だった。日本代表がこれほどまでに輝いて見えたラグビーワールドカップ(RWC)はかつてなかった。史上初の決勝トーナメント進出はプール戦4戦全勝で成し遂げられた。決勝トーナメント進出の可能性を大きくしたのが、9月28日、静岡県袋井市のエコパスタジアムでのアイルランド代表戦だった。
アイルランドは大会前、世界ランキング1位で優勝候補の一角だった。大会中にランキングは下がるのだが、実力者であることは間違いなかった。最終的には日本代表の歴史的勝利となるのだが、けっして簡単な勝利ではなかった。キャプテンのリーチ マイケルはリザーブ席からのスタート。ゲームキャプテンを任されたのは、ピーター・ラブスカフニだった。「初戦でのパフォーマンスが悪かったからキャプテンを外された」と反省しきりだったリーチは、前半31分、アマナキ・レレイ・マフィの負傷退場で交代出場。鬼気迫る表情で次々にタックルを決め、パワフルに突進した。アイルランドに2トライを奪われていた日本代表はリーチの奮闘で活気づく。
直後、スクラムを押し込み、具智元が雄叫びを上げる。ここで完全に流れが変わった。蒸し暑さもあってアイルランドの運動量が落ちる。9-12とリードされていた後半19分には、ゴール前のラックから田中史朗、中村亮土、ラファエレ ティモシー、福岡堅樹とパスがつながって逆転に成功する。福岡も大会前の南アフリカ代表戦での負傷し、回復具合は80%ほど。出場を回避する手もあった。この試合でも後半9分からの登場で、その走りも試運転という感じだった。何度見ても感動できる試合だ。
2019年日本大会 プールD フィジー vs. ウルグアイ
このほか、プール戦の序盤に観客席を熱くしたのは、9月25日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた、ウルグアイ対フィジーの戦いだ。変幻自在のステップワークでディフェンスを翻弄するフィジーは、世界の強豪国を倒す力を秘めるジャイアントキラー。対するウルグアイはラグビーの競技人口が少なく、プロ選手は20数名しかいなかった。実力差は明らかに見えたが、ウルグアイの愚直なタックルが刺さり続ける。国歌斉唱から涙が流れる。
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