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ラグビー コラム 2023年5月30日

爆発的な加速でゴールラインを駆け抜ける~オーストラリア代表の最速トライゲッター マリカ・コロインベテ~

“最強ラガーマン”列伝 ~ラグビーW杯2023~ by 村上 晃一
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ラグビーワールドカップ(RWC)で過去2度(1991年、1999年)の優勝を飾ったオーストラリア代表(ワラビーズ)。しかし、その後は優勝から遠ざかっている。王座奪還のため、名将・エディー・ジョーンズがヘッドコーチに復帰。再び頂点に立つプロセスが始まった。スター選手が揃うチームだが、なかでも100m10秒台のスピードでフィールドを駆け抜けるマリカ・コロインベテにはトライゲッターとして期待がかかる。その爆発的なスピードは、リーグワンの埼玉ワイルドナイツでも証明済み。今季の準決勝では3トライをあげ、勢い余って秩父宮ラグビー場の壁に激突。ロビー・ディーンズ監督が「マリカを止められるのはコンクリートだけ」と報道陣をジョークで笑わせたほど。惜しくも敗れた決勝戦の後、その気持ち、RWCへの想いを聞いた。

RWCでは、一つずつ勝利を積み重ね家族のためにも良い結果を持って帰りたい

――リーグワン決勝戦の感想を聞かせてください。
前半、自分たちのミスからチャンスを作れず、クボタの勢いのある攻撃を止めることができませんでした。クボタは素晴らしいパフォーマンスをし、我々はミスから苦しい戦いになった。シンプルなエラーもあり、簡単に犯してしまったペナルティーもありました。規律を守ることができませんでした。ペナルティーを犯せば、良いキッカーであるバーナード・フォーリーに得点を重ねられてしまいます。負けたのは、その代償です。

――RWCに向かっては、今後どんなスケジュールですか。
決勝戦の結果は残念でしたが、今季は素晴らしいシーズンを過ごすことができました。本拠地の熊谷で少しゆっくりしてから、故郷のフィジーへ戻り、6月11日からオーストラリア代表ワラビーズのキャンプに参加して準備を始めます。

ラグビーワールドカップ2019 オーストラリアvsジョージア

――ワラビーズは新しいヘッドコーチにエディー・ジョーンズさんが就任しました。どんな期待がありますか。
私自身はこれまでエディーさんからコーチングを受けたことがないので、期待を語るのは難しいのですが、何回かお会いしました。彼が持ち込む新しいシステムや文化を通してチームがどう成長するか、スタッフにとっても新しい環境で面白いと思います。新しいチーム文化をチームメイトと感じながら一歩一歩成長して、いい結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【プレーオフトーナメント 決勝 ハイライト】埼玉ワイルドナイツ(D1 1位) vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 2位)

――RWCプール戦の同じグループには、強豪ウェールズ、あなたの母国フィジーがいますね。
ウェールズと、フィジーと同じプールなのは、2019年大会と同じです。RWCのゲームはすべてエキサイティングだし、勝たなければいけない。良い準備をして、一つずつ勝っていきたいです。

――フィジーと戦うのは特別な気持ちがありますか。
母国ですから、当然、特別な感情がわいてきます。私がオーストラリア代表で活躍するのは家族の誇りとなっていますし、私がRWCで活躍するのが家族の夢でもあります。家族のためにも活躍して、良い結果を持って帰りたいと思います。

バックスリーで連動してプレーしより良いゲームができるようになった

――2022年からワイルドナイツでプレーしていますが、どんな部分が成長できましたか。
以前はオーストラリアのレベルズでプレーし、2022年にワイルドナイツに入団しました。ワイルドナイツは常勝チームであり、多くの成功を収めてきています。そのため、求められる基準が高く、勝利のカルチャー、マインドセットを磨くことができました。選手間で競い合い、高め合うことも学べましたし、目の前の試合に真摯に取り組むこと、ラグビーを楽しむことは、ワイルドナイツに来て新たに芽生えた気持ちです。

 

――足が速くなった、パワーがついた、体重が減ったなどの変化はありますか。
あまり変わっていませんが、フィットネス、素早さは少し向上したかもしれません。ワイルドナイツでは、ラックでのコンテストが少なく、キックやゴールキックが多い。リーグ最高の選手の1人である野口竜司と、バックスリーで連動してプレーすることで、キック周りのプレーが改善しました。これからそれを更に向上させたいですね。

――日本のファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。
まずは、リーグワン関係者とファンにお礼を言いたいです。リーグワンを見てくれてありがとうございました。今季はいい結果で締めくくることはできませんでしたが、いつも温かくワイルドナイツを応援してくれてありがとうございます。来季はベストを尽くして皆さんが期待する結果を出したいと考えています。足を運んでくれるファンの数が増えることを期待しているし、面白いシーズンになればと思います。

インタビューは、クボタスピアーズ船橋・東京ベイとの決勝戦後に行った。悔しい負けの直後にもかかわらず、コロインベテ選手は一つ一つの質問に誠実に答えてくれた。ワイルドナイツで、バックスリーの連動の部分、キック処理などが改善されたというのは興味深い。それだけ、ワイルドナイツのキッキングゲームの質が高いということだろう。RWCフランス大会では、エディー・ジョーンズヘッドコーチが、攻守に抜群のスピードを誇るコロインベテをどうチーム戦略に落とし込むか、オーストラリア代表の戦いぶりが楽しみだ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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