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ラグビー 全国大学選手権 22/23 準々決勝
【ハイライト動画】早稲田大学 vs. 明治大学
後半、メンバー交代で先に動いたのは早大だった。フィールドに飛び出した早大のメンバーには16番をつけたHO佐藤健次(2年)、20番のFL栗田文介(1年)の姿があった。後半の立ち上がりは明大がギアを上げて激しいコンタクトプレーで前に出始めたが、佐藤のタックル、栗田の突進で早大も反撃。8分にはスクラムの強いPR井元正大(4年)、状況判断のいいSO野中健吾(1年)を投入し、個人技の優れた伊藤をFBに下げる。これらの交代、ポジションチェンジで明大に主導権を渡さなかった。
宮尾昌典(早稲田大学)
後半16分には井元を軸にスクラムで圧力をかけて反則を誘い、明大陣深い位置で得たスクラムからのサインプレーでWTB松下がトライをあげる。スコアは、20-14。2分後、明大に攻め込まれるが、明大FWが縦に走り込んでキャッチしようとしたパスをSH宮尾昌典(2年)が狙いすましてインターセプト。追いすがるタックラーを走るコースを変えることで振り切り、約80mを走り切るトライだった。
明大も後半28分、スクラムを押してペナルティトライを勝ち取り、27-21と迫る。さらに白熱した攻防となったが、最後は明大のWTB石田吉平(4年)の突進をタックルで倒し、相良がジャッカルでボールを奪い取って激闘に終止符を打った。昨年も大学選手権準々決勝で再戦する同じパターンだったが、勝敗は逆になった。後半勝負と見てインパクトプレーヤーをリザーブ席に置いた大田尾監督の読み通りの勝利だった。
「本当によく頑張ってくれたと思いますし、試合に出た23人だけでなく、部員150人が対抗戦の終わった後に成長してくれました」(大田尾監督)。試合直後、フィールドでは早大の相良昌彦キャプテン、明大の石田吉平キャプテンが抱き合い、言葉を交わしていた。3試合ぶりに怪我から復帰した相良は、「吉平が、次も頑張れ、優勝してくれよ、と言ってくれました。吉平のぶんも頑張りたい」とコメント。ライバルチームのリーダーとして戦った友人のため、これまで自分たちが破ったチームのためにも勝ち抜く決意を新たにしていた。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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