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ラグビー コラム 2018年12月10日

記憶に残る激闘が繰り広げられた トップリーグ18/19 総合順位決定トーナメント 準決勝レビュー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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予想に違わぬ激闘だった。2018年12月9日、第56回日本選手権大会とトップリーグ2018-2019総合順位決定トーナメントを兼ねた準決勝2試合は、目撃した人々の記憶に長く刻まれるだろう。

準決勝は時間をずらして行われた。午後2時にキックオフされたのは東大阪市花園ラグビー場での神戸製鋼コベルコスティーラーズ対トヨタ自動車ヴェルブリッツだ。今季負けなしで走ってきた神戸製鋼が、総当たりのレッドカンファレンスで唯一勝てなかった(引き分けた)相手だ。前半7分、トヨタ自動車がCTBクリントン・スワートのPGで先制。11分、神戸製鋼は200cmのFLグラント・ハッティングがトライを返し、5-3と逆転する。25分には、WTBアンダーソン フレイザーをサポートしたSOダン・カーターがトライして、12-3と神戸製鋼がリードを広げた。世界最優秀選手3度受賞のカーターは、この日も格違いの状況判断、正確なスキルで神戸製鋼の攻撃を操った。

今季の神戸製鋼は、タックラーと接近したところで短くパスをつなぎ、相手のタックルをまともに受けず、ボールを動かし続けるスタイルだ。トヨタ自動車のフィジカルの強みを出させないまま、カーターがPGを2本追加して、18-6と前半をリード。しかし後半に入るとトヨタ自動車も底力を見せる。スクラムからSOライオネル・クロニエがディフェンスを突破、FBジオ・アプロンのトライで、18-13の5点差とし、なおも攻める。神戸製鋼も切り返し、息詰まる攻防が続いた。

最後に決めたのは、やはりカーターだった。24-19の5点差で迎えた試合終了間際、トヨタ自動車がトライすれば同点の場面だ。神戸製鋼は残り時間をうまく使いながら冷静にボールを運んだ。FW陣が丁寧にボールをリサイクルし、ハーフウェイライン付近から満を持しての左オープン攻撃、交代出場のヘイデン・パーカーが思い切って前に出ながら左にいたカーターにパス。カーターは右側に切れ込みながらディフェンスを突破し、背後からタックルを受けるも左足で左前方にキック。これを追ったアンダーソンがインゴールでボールを押さえた。相手に触れられないような軽やかなプレーを続けながら、ときに激しいコンタクトもいとわないカーターの真骨頂が出たトライだった。

試合後、勝った神戸製鋼のデイブ・ディロンヘッドコーチは、決勝戦への抱負を問われ、「ここまでやってきた神戸のラグビーをするだけ。観客を魅了するエンターテインメントのラグビーを届けたい」とコメントした。たしかに今季の神戸製鋼は攻撃的で見るものを楽しませる。ただし、カーターが目立つのは、彼にスペースを与えるために他の選手が体を張ってボールを運び、ディフェンスの人数を減らす動きをしているからだ。急速にチーム力を上げるトヨタ自動車からの勝利は、15年ぶりのトップリーグ制覇、18大会ぶりの日本選手権制覇の可能性を感じさせるものだった。

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