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チームの明らかな向上が見られたのは、4月のニュージーランド遠征だろう。4月21日=クルセイダーズ(11-33)、4月27日=ハリケーンズ(15-43)に連敗したが、ニュージーランドの2トップのスピード、強固なディフェンスを経験できたことで、チーム力が一段階上がったように見えた。そして、1週の休みを経て、5月12日、秩父宮ラグビー場でレッズ(オーストラリア)での今季初勝利が実現する。63-28という大勝だった。
5月19日には、香港でストーマーズ(南アフリカ)と対戦し、SOヘイデン・パーカーの逆転ドロップゴーグで勝利。日本代表戦の準備のためにメンバーを変更したこともあって、オーストラリア遠征ではレベルズ、ブランビーズに完敗したが、6月の日本代表戦では、イタリア代表と1勝1敗。ジョージア代表には完封勝利と、サンウルブズのメンバーが主体になった日本代表がレベルアップを証明した。「どうやって勝つかをサンウルブズで学べました」(リーチ マイケル)。
6月30日、シンガポールで行われたブルズ(南アフリカ)戦では、ミスから2トライを許す苦しい戦いの中で逆転勝ち。初の3勝目をあげた。最後の2試合はレッドカードが出て14人で戦う時間が長くなり、残念な連敗になったが、スーパーラグビーで戦うことが日本ラグビーのレベルを押し上げるということが証明されたシーズンでもあった。
立川理道はコメントしている。「来年のワールドカップイヤーは重要なシーズンになると思いますが、それに向けていい方向に進んでいると思います。トップリーグに帰っても、高いスタンダードでプレーすることを意識し、サンウルブズに戻ってきた時には、今年積み上げてきたものを一から始めるのではなく、しっかり上乗せできるように努力していきたいと思います」
今季のサンウルブズは選手のコンディションを重視して戦ったこともあり、計57名がプレーした。16戦すべてに出場したのは、PRクレイグ・ミラーだけだった。これまでスーパーラグビーのレベルでは目立った活躍のできなかったSOヘイデン・パーカー、CTBマイケル・リトルの活躍も特筆すべきものだ。緻密な戦略で素早くボールを動かすサンウルブズの戦い方にフィットしたということだろう。リトルは13試合に出場し、一試合平均のプレー時間は75分。何度もディフェンスを突破しチャンスを作った。ヘイデン・パーカーのプレースキックの成功率は驚異の96%。50本蹴って48本成功は神業である。毎日の努力が実を結んだ尊い成功率だ。彼の存在なくして今季の3勝は語れない。
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