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今年のIJFワールドツアー4つ目の「グランドスラム」、アンタルヤ大会が1日にトルコで開幕する。この模様はJ SPORTSで生中継される。
グランドスラム・トビリシに続く2週連続のビッグイベント、終了から中1日空けてアジア・オセアニア選手権が控えるという超繁忙期に行われるこの大会の目玉は、なんといっても日本代表選手5人の参戦。66kg級の阿部一二三(パーク24)、90kg級の向翔一郎(ALSOK)、100kg級のウルフアロン(了徳寺大職)、100kg超級の原沢久喜(百五銀行)、そして女子78kg級の濱田尚里(自衛隊体育学校)、全員がきたる東京五輪の代表である。
五輪本番の開幕まであと100日あまり。実戦感覚の維持と現在地の確認のためには大会出場は欠かせないファクターだが、技術・作戦の秘匿という戦略面や「鍛錬期」の確保というコンディショニング上の観点からは、そうそう頻繁に試合に出るわけにもいかない。まして現在はコロナ禍のさなか。海外大会への出場はそのまま帰国後の2週間を事実上棒に振る(隔離期間)ことになるわけで、スケジューリングの難しさは常とは比べものにならない。今回が五輪前の「みおさめ」となる選手も多いはず。ファンならば絶対に見逃してはならない大会である。
阿部一二三選手
わけても注目は阿部とウルフ。ともに五輪代表内定後これが初の実戦、久々の国際大会出場である。
阿部は昨年12月に行われた異例のワンマッチ「東京五輪66kg級日本代表決定戦」以来の実戦、昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフ以来1年2か月ぶりの国際大会出場。コンディションは本人いわく「あの試合の時と同じくらい良い」とのこと。1次エントリーリストを見渡す限り、今大会に阿部の敵役が務まるレベルの選手は皆無。豪快な技で投げまくる阿部らしい柔道、圧倒的な内容で五輪に弾みをつけてくれるはずだ。加えて注目したいのはその戦いぶりの進化。足技や寝技を上積みして来たという技術的な幅の広がりはもちろんだが、あの丸山城志郎と繰り広げた24分間の激戦の経験、そしてただ1試合、たった1人の相手に勝つためにすべてを捧げたという異常な数か月が阿部の柔道にどんな影響をもたらしてくれるのか。ここにフォーカスして見守りたい大会だ。競った場面、うまくいかない時こそ注目である。
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