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モーター スポーツ コラム 2024年9月24日

WRC2024第11戦ラリー・チリ プレビュー ~今年唯一の南米ラリー~

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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現在ランキングTOPのヌービル(ヒョンデ)

2019年に歴代32国目の開催国となったラリーです。2019、2023年に続き3回目の登場です。このラリーは2000年から始めた国内戦Rally Mobile Championship をベースとし、これをFIA規格にする努力を重ねWRC開催を実現しました。米州大陸ではこのところ老舗のアルゼンチンやメキシコの開催がないのでチリは貴重なイベントとなります。南米諸国はモータースポーツの人気が高くブラジル、アルゼンチン、などはファン・マヌエル・ファンジオやアイルトン・セナの出現、パラグアイやチリはダカール・ラリーの通過国などにもなり特に関心が高い国です。来年のWRC候補にチリとパラグアイが入っています。

さて、ラリー・チリは同国第2の都市コンセプシオンをベースに太平洋と大陸の間のビオビオ水路の両側で行われるグラベルラリーで道幅はそれほど広くない森林地帯が戦場になります。初日はベースから遠いエリアでのSS、2日目は段々ベースに近づき、最終日はベースに近いエリアという設定です。初日のリエゾンは400kmを超えます。
昔、帯広のラリージャパンのリエゾンが200kmで選手から遠すぎると文句が出たこと思い出しました。
シーズン終盤に入って残すはチリを含め3戦となりました。ヒョンデと先頭争いをしていたトヨタはフィンランドとギリシャで惨敗、もう後がありません。残り全戦をロバンペラ、オジェそれにエバンスで行くのでしょうか。ヒョンデはヌービル、タナクに加え今回はラッピが3台目に入ります。フォードは最近腕を上げているフルモーとミュンスターです。

前戦ギリシャ終了後のポイント状況は次のとおりです。
1位:ヌービル 192pt 2位:タナク 158 pt 3位:オジェ 154 pt 4位:エバンス 140 pt
5位:フルモー 130 pt 6位:ロバンペラ 86 pt 7位:勝田 80 pt

メーカーポイントでは
1位:ヒョンデ 445pt 2位:トヨタ 410 pt 3位:フォード 226 pt
となっており
ドライバー、メーカー共にヒョンデで大きくリードしています。

毎年この時期になるとドライバーの移籍やチーム体制の変更など噂を含め情報が飛び交うものですが、ヌービルがヒョンデと契約したが来年一年の短期契約だったことでヒョンデがラリー活動を来年でやめるその代わりWEC(耐久選手権)に行くのではないかとの風評が飛んでいます。一方でランチアがシトロエンと組んでWRC進出などと言われていますが今後の動静に注目です。

SS本数 SS km Liaison km Total km
Day 1(9/27) 6 112.78 km 405.42 km 518.2km
Day 2 (9/28) 6 139.38km 288.44km 427.82km
Day 3(9/29) 4 54.80km 236.58km 291.38km
Total 14 306.96km 930.44km 1237.4km

J SPORTS オンデマンド番組情報

文:福井 敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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