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モーター スポーツ コラム 2023年12月20日

十勝スピードウェイの思い出

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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JGTCの舞台にもなっていた十勝スピードウェイ(写真は2004年)。

友人が残念がっています。
今週末にスキーに行くことを計画していたのに「ゲレンデに雪が無いんだ」と・・・。
富士山にも雪が積もったと思っていたら無くなってしまっていたり。北海道では突然の豪雪だったり。いったい気候、気象はどうなってしまっているのでしょう?

雪と聞いて何故か北海道の十勝スピードウェイ(開業当初の名称は十勝インターナショナルスピードウェイ)のことが頭に浮かんだのです。国内で最北のサーキット。
1990年が近づいていた頃だったと記憶していますが、日本モーターレーシングセンター社長の故・本田耕介さんから「北海道に国際サーキットができるぞ」と聞かされたのです。北海道十勝地方の更別町にサーキットが作られると聞いてもピンと来なかった。どうやって観客を集めるのだろうとかと本田さんに質問すると「いいかい、大雪山国立公園や日高山脈の懐を貫くトンネルができる。そうすれば、北海道最大の都市、札幌からも観客が容易に来られるのだ。凄いだろう」と鼻息が荒かった。

十勝スピードウェイの建設には、北海道の土木関係者が強力にバックアップしたのです。それもそのはず、大雪山トンネルの建設が実現すれば、莫大な開発事業になる。しかし、その時問題なったのが後に環境アセスメント法令に発展する環境保護運動だった。大雪山から日高山脈の周辺には氷河期からナキウサギが生息していて、その保護運動が立ち上がっていた。結果としてトンネル工事は環境を破壊、ナキウサギの生息に悪影響を及ぼすとして、その開発事業は行われることはなかった。

トンネルは造られなかったけれど、十勝スピードウェイは1992年にプレオープン。1993年から営業を開始し、全日本ツーリングカー選手権、スーパー耐久の24時間レース、全日本GT選手権、全日本F3000選手権、フォーミュラニッポン、全日本F3選手権などのレースが行われてきた。現在は86/BRZなどのグラスルーツレースシリーズが開催されている。

1992年のプレオープンの際には、プロモーションとして近隣の都市、帯広市のデパート前でトークショーが行われて、MCとして簡易ステージに立ちました。その際に一緒に出演していただいたが影山正彦選手(当時)でした。ステージに上がると目の前には学生服を着た中学生くらいの男子学生と若い女性&買い物帰りであろう中年の女性、計3名。頑張って影山選手とトークを展開している最中に中年女性は買い物籠を下げてお帰りになった。最後は二人の観客の前でトークショーを締め括ったのです。こんな経験は、滅多にできない。貴重なトークショーは、ボクの自慢です。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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