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モーター スポーツ コラム 2023年10月10日

“記録上”では語り継がれなくなる名バトル&ドラマ

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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いずれにしても、これだけ接戦の状態で緊張感が続いたトップ争いをみるのは久しぶりだったかもしれない。今年で引退を表明している立川祐路が2006年のSUGO大会で本山哲と演じたトップ争いを彷彿とさせるバトルだった。

そして、GT300クラスも最後の最後にドラマが待っていた。赤旗中断以降はNo.52 埼玉トヨペット GB GR Supra GTがトップを快走し、十分なリードを築いて最終ラップに突入した。2番手のNo.18 UPGARAGE NAX GT3に対して5秒以上のリードを築いており、52号車の勝利は確実だろうと思われたが……最終コーナーを上り切ってグランドスタンド前に姿を現した瞬間、突然のスローダウン。その横を18号車が走り去り、ゴール100mを切ったところでの大逆転劇となった。

まさかの形でチェッカーを受けたNo.52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT。

まさかのドラマにグランドスタンドにいるファンも騒然。今季3度目のトップチェッカーを受けた18号車メンバーは歓喜の渦となり、一方の52号車陣営は意気消沈。ドライブしていた吉田広樹はスローダウンしてしまったのは、自分のせいなのではないかと、暫定表彰式後の囲み取材で大粒の涙を流していた。そこに川合孝汰が「また次頑張りましょう!」と吉田を支えていたのが印象的なシーンだった。

紙一重の差で勝者と敗者が生まれるのがモータースポーツ。勝った側、負けた側にそれぞれの心境はあるが、ひとつのドラマが生まれたレースだったなと感じていた。

こうして今年のSUGO大会は幕を閉じたのだが……残念なことに、と、GT500での名バトルやGT300でのゴール直前での逆転劇といったドラマは、“記録上”では今後語られることはなくなる。

レース終了から約2時間30分後、GT500とGT300の両トップチェッカー車両が再車検不合格になったことが通知された。17号車はスキッドブロックの厚みが規定に満たず。18号車は最低地上高の違反だった。

これによりGT500クラスは8号車、GT300クラスは52号車が優勝。8号車に関しては、野尻智紀がすでにサーキットを離れた後だったが、結果が変わったことを受けて急きょサーキットに戻ってきた。そして、大湯とともに暗くなって撤収作業が進んでいる表彰台に登って優勝トロフィーとともに記念撮影を行なっていた。もちろん、グランドスタンドを埋め尽くしていたファンは全員帰った後のことだ。

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