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さらに過去を振り返ると、2年連続チャンピオンである野尻智紀もルーキーイヤーだった2014年のSUGO大会で涙の初優勝を飾ったほか、フォーミュラ・ニッポン時代だった2010年には大嶋和也が、ここで初優勝を経験している。
そういう意味では、今年も新たなヒーローの誕生に期待も高まるのだが、前半戦を見ていると候補者も何人かいる。
前回のオートポリスで6位入賞を果たした牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だ。今シーズンはマシンやタイヤが新パッケージに変わったことで少し苦戦をしていたようだが、前戦で手応えを掴んだ様子。SUGOはダンディライアンが得意とするサーキットなだけに、予選から上位グリッドを獲得できれば、初優勝のチャンスも見えてくるのではないだろうか。
牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
同じく注目なのが、昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)だ。第3戦鈴鹿では駆動系トラブルでフォーメーションラップ中にリタイアとなってしまったが、それ以外の3レースではコンスタントにポイントを獲得している。TCS NAKAJIMA RACINGも昨年はSUGOで速さをみせていただけに、うまく歯車が噛み合えばトップ争いに加わる姿も見られそうだ。
この他にも前回のオートポリスでは予選3番手を獲得し、復調の兆しをみせている阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)や、過去にもSUGOで好レースをみせた経験のある小林可夢偉(kids com Team KCMG)など、初優勝候補はたくさんいる。今年も感動の瞬間がみられるのか、注目の1戦となる。
もちろん、ランキング上位の争いも目が離せない。前回のオートポリスでは、野尻智紀(TEAM MUGEN)が体調不良で欠場し、僚友のリアム・ローソンが首位に浮上したのだが、2番手の宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、3番手の坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)など、ポイント差が非常に接近しているだけに、ここでも1ポイントでも多く獲得するためのつば迫り合いが見られそうだ。
SUGOの魔物の出現次第で、どういった展開になるのか……。全く予想のつかないレースウィークになるが、予選から決勝まで、手に汗握るバトルが展開されるのは間違いない。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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