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結局、2日間を終えて総合トップはチャンピオンの野尻智紀(TEAM MUGEN)の1分35秒955を記録したものの「この時だけで、たまたま良かった。全体的にグリップ感がなくて、開幕戦の富士に関しても『セクター3をどうしようか……』という感じです」と、昨年までとは打って変わって苦戦気味。鈴鹿テストでは、珍しくコースオフを喫する場面もあった。
2022年のランキング3位だった平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も「想定していたより、あまり分からなかったというのが大きな印象。時間が限られているのはみんな一緒で、その中で僕たちはテストの優先事項を決めてやりましたけど、なかなか想定していたところに行かなかったです」と、新パッケージを掴みきれていない様子だった。
#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
その一方で、SF23に関してポジティブな印象を持っていたのが今季からスーパーフォーミュラに参戦するルーキードライバーたちだ。今季は海外のドライバーたちも複数参戦するのだが、彼らはSF19の経験がない分、SF23のマシンに対して、特に違和感は感じていない様子。
特にレッドブルジュニアチームで将来F1へのステップアップを目指しているリアム・ローソン(TEAM MUGEN)は「F2に出ていた経験もあるけど、その時のピレリタイヤと比べれば、すごくグリップする。マシンもSF19と比べて、そんなに大きく変わったという感じはしない」とのこと。常にトップからコンマ数秒の差につけるなど、コンスタントな走りを見せていたのが印象的だった。
鈴鹿テストだけで2023シーズンの展望を語るのは難しく、それこそ誰がチャンピオン争いの主導権を握っていくのかは、それこそ開幕してみないと分からないのだが……2日間のテストで、比較的調子が良さそうだったチーム、ドライバーがいたもの事実だ。
なかでも好調だったように見えたのが、スーパーフォーミュラで3度チャンピオン獲得経験を持つ山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)だ。4セッションのうち3セッションでトップ3に入るタイムを記録。最終セッションは最下位で終わったのだが、ここでは時間いっぱいを使って決勝を見据えたロングランのテストを淡々と行っていた。そのアベレージタイムを見ても、ライバルより頭ひとつ抜けていそうな印象。以前からオーバーステア傾向のマシンを好む傾向があった山本にとっては、もしかするとSF23とは相性が良いのかもしれない。
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