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モーター スポーツ コラム 2021年6月25日

2021スーパーフォーミュラ第4戦レビュー|福住仁嶺、数々の失敗を糧に掴んだ“恩返しの瞬間”

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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「もしかすると、普通に走っていても何も起こらなかったかもしれないですけど、そういうリスクみたいなものを減らすために『どうやったら何もなく終われるのか?』『それに対して何かできないか? 今、努力できることはないか?』というのが、ずっと頭の中にありましたね」

おそらく、多くのファンの脳裏には、4月の第2戦鈴鹿でのタイヤトラブルが真っ先に出てくると思うが、福住はそれ以外にも様々なトラブルに見舞われ、その都度悔し涙をのんでいた。

ミッショントラブルによる戦線離脱、トップ争いをしているところでのスピン、コースアウト、ピットストップで自動ジャッキが作動せず大幅なタイムロス、そしてタイヤトラブル……。さらにSUPER GTでは優勝目前に黄旗無視をしてしまい、ペナルティで後退する失敗もしていた。

しかし、福住はそれらをただの苦い経験で終わらせるのではなく、“それをどうすれば防げるのか?”を、このレースでは意識し続けた。

マシンを労わる走行はもちろんのこと、何か見落としていること、気づいていないことはないかと、コックピットの中で“トラブルの可能性”になりそうなものを探し続けていた。残り3周を切った時には『大丈夫』と分かっている燃費についても、本当に大丈夫なのかとチームにしつこく確認したという。

「レーシングドライバーといえば『とにかくプッシュして後ろに対して何秒引き離す』という思いを持っているのが普通だと思うんですけど、今回は『ライバルが真後ろにいたとしても、一番前でゴールすればいいんだ』という気持ちも少なからずありながら走っていました」

「とにかく、最終ラップの最終コーナーを立ち上がって出てくる時も、ずっと頭の片隅では嫌なこととか考えちゃっていて……勝ったと思ったのはチェッカーフラッグが見えた瞬間でしたね」

苦しんだ末に獲得した初優勝を果たした福住。

最後の最後まで“疑いの目”を持ち続けていた福住。無事にトップチェッカーを受けたのだが、そのフィニッシュラインを「ここで合っていたよな?」と何度も確認したほど。そこまで念には念を入れてやらないと、勝利を手にすることができない……彼の苦労が物語っているエピソードだった。

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