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2020 SUPER GT第5戦レビュー|苦境に負けず、コロナにも負けず……脇阪寿一監督率いる新生チームサードが今季初V
モータースポーツコラム by 吉田 知弘2020 SUPER GT第5戦レビュー
10月に入り2020年のSUPER GTも後半戦に突入。10月3日~4日には富士スピードウェイでシリーズ第5戦が行なわれた。新型コロナウイルス感染防止対策として開幕4戦は無観客で実施されていたが、今回から人数を制限する形で観客を動員。まだまだ昨年までのようにとはいかないが、久しぶりにSUPER GTならではの“熱気”が帰ってきた。
ファンの声援に後押しされてドライバーたちも奮起。前半4戦にも増して、激しいバトルが各所で展開された。そんな中、GT500クラスで強さを見せたのがNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。予選5番手から着実に追い上げ、最後は2番手以下に10秒以上の差をつけて優勝を飾った。
危なげない走りで今シーズン初優勝を飾った39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。
優勝の瞬間、プラットホームではメカニックたちが歓喜し、パルクフェルメではヘイキ・コバライネンと中山雄一が笑顔で握手を交わしていた。そんなチームの喜ぶ姿を温かい目で見守っていたのが、今季39号車に加入した脇阪寿一監督だった。
昨年チームルマンに17年ぶりのタイトルをもたらした脇阪監督。2020年は現役時代にも所属したチームサードの指揮をとることになったのだが、最初は苦労が絶えなかった。
3月中旬の岡山国際サーキットで行なわれた公式合同テスト。昨年までのチームルマンで見られたプラットホームでどっしりと構えている姿とは打って変わり、セッション中はガレージとプラットホームを忙しなく行き来し、休む間も無くエンジニアやメカニックに指示を出す脇阪監督がいた。
移籍1年目から、積極的にチームの変革を求めた脇阪寿一監督。
走行セッション終了後、脇阪監督のところへ取材に行くと「いやぁ大変。課題山積みです……」と開口一番。39号車は昨年も今年もヘイキ・コバライネン/中山雄一のドライバーコンビを継続して一見変化はないように見える。しかし、チーム内部の体制を見てみると、脇阪監督の加入を始め、エンジニア、メカニックとも大幅に入れ替わり、まさに“ゼロからのスタート”に近い状態。この段階でチームがうまく機能しているとは言いにくく、それを脇阪監督が先頭に立って方向性を見出そうとしている様子が垣間見えた。
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