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モーター スポーツ コラム 2020年10月12日

2020 SUPER GT第5戦レビュー|苦境に負けず、コロナにも負けず……脇阪寿一監督率いる新生チームサードが今季初V

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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レース中は一度も表情を緩めることなく39号車の走りを見守り続けていた脇阪監督。レースを終えてピットに取材に行くと、張り詰めていた緊張感から解放され、安堵する姿があった。

「僕も最初チームに入った時は大変やなと思いました。でも、その分しっかりとした要求をチームやスタッフひとりひとりにしました。それに対して腐ることもなく付いてきてくれたみんなに感謝したいです。この優勝で『頑張って力を合わせて、プロがプロの仕事を、自分のためではなく人のためにやれる環境を作れば、成績って自然とついてくるし、レースの神様は見ててくれる』ということを証明できたので、良かったなと思います」

「土曜日の公式練習が終わった時、クルマから降りてきたヘイキも顔が曇っていたけど、決勝前のウォームアップが終わった時は、いつもの彼に戻ってくれました。そういった意味ではコロナでレースができなくて大変だったヘイキに対しても今回は自信になった大きなレースだったと思います」

「雄一も色んなライバルに迫られて不安な気持ちにはなったと思うけど、自分を信じ、クルマを信じて、最後まで焦ることなく走り続けてくれました。GT500は優秀なドライバーがたくさんいて、その中で中山雄一はそこまで目立った選手ではなかったと思います。でも、こうやってキチッと強いレースを彼自身が示したということは、これは彼のレース人生において、非常に大きな一歩となるレースになったのではないかなと思います」

「そして、こうしてお客様が入られた初戦で、クルマとモータースポーツの持つ力で、お客様が喜んでいただいたとするならば、僕も嬉しいです。やっぱり現役の頃からそうでしたけど、いつもファンの皆さんからプラスアルファのパワーをもらうんですよね。今回もそれがあったと思います」(脇阪)

この勝利で39号車とトップとの差は8ポイント。中山は会見で「チームのモチベーションもさらに上がり、次の鈴鹿がとても楽しみになりました。」と第6戦に向けて力強く意気込みを語った。

最後までドライバー、チームスタッフ、スポンサー、そしてファンのことを第一に考えてコメントしていた脇阪監督。まさに彼がチームメンバーに提唱してきた「プロの仕事を自分のためではなく、人のためにやる」ということを、自ら率先して実践することが、このチームを短期間で変えた大きな要因なのかもしれない。

だが、この1勝を掴むまでに相当な努力と苦労を重ねてきたことは間違いない。それだけに、大きな重圧から解き放たれたような脇阪監督の表情をしていたのが……何より印象的だった。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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