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サッカー&フットサル コラム 2026年4月28日

2025.5.3の鮮烈な記憶!より進化を見せるのはどちらの名門だ!鹿島アントラーズユース×東京ヴェルディユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第5節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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鹿島アントラーズユース・吉田湊海

今シーズンも鹿島アントラーズユースは、シンプルに強い。開幕戦こそ柏レイソルU-18に敗れたものの、第2節はアウェイで帝京長岡高校相手に4-2で快勝。続く第3節でも、連勝中で波に乗る流通経済大柏高校を3-1で撃破し、きっちり勝点3を積み上げる。

ベガルタ仙台ユースと対峙した前節も、39本のシュートを記録する破壊的な攻撃力を披露し、プレミア初スタメンの曽ヶ端輝が2ゴールを挙げれば、エースの吉田湊海はハットトリック。5-0というスコアで3連勝を達成し、4試合を終えて首位に躍り出た。

1999年のワールドユースで世界準優勝を主力として経験した、手島和希監督が今季から就任した東京ヴェルディユースも、らしいスタイルを貫いている。鹿島ユース同様に、開幕戦は昌平高校に0-3で敗れて黒星スタートとなりながら、第2節の川崎フロンターレU-18戦では、1点のビハインドを負った90分からの2ゴールで、劇的なシーズン初勝利を掴み取る。

第3節の前橋育英高校戦はスコアレスドローに終わったが、ホームに横浜FCユースを迎えた前節は、古賀大雅のスーパーミドルと鈴木暖人のゴールで、2-0と勝ち切って3戦無敗に。好調をキープした状態で、前年王者との対戦に挑むことになる。

鹿島ユースでフィーチャーしたいのは、もはや説明不要の絶対的エースとして君臨する吉田湊海だ。今季はここまで4試合すべてにスタメンで登場し、6得点をマーク。過去2年以上のハイペースでゴールを積み上げている。

特筆すべきは、そのゴールパターンのバランスの良さだ。今季の6ゴールの内訳は、「右足で2点」「左足で2点」「頭で2点」と、まんべんなくどの部位でも結果を残している。さらにシーズンをさかのぼると、2025年の13ゴールを見ても、「右足で4点」「左足で5点」「頭で4点」という数字に。得点王に輝いた2024年も「右足で4点」「左足で3点」「頭で3点」と、ほとんど均等に並んだ数字が気持ちいい。

加えて興味深いのは、ゴールに至るまでのタッチ数だ。今季は「1タッチで2点」「2タッチ以上で4点」、昨季は「1タッチで6点」「2タッチ以上で6点」、一昨季は「1タッチで4点」「2タッチ以上で5点」と、実は1タッチゴールは意外と多くないことがデータから読み取れる。

しかも、3シーズンで積み上げた「1タッチで12点」のうち、ヘディングで決めたのは8点に上るため、足で決めたゴールは「2タッチ以上」が圧倒的に多い。確かにプレー映像を振り返ると、巧みなトラップでシュートを打ちやすい場所にボールを置くセンスも抜群。この試合でも吉田の“フィニッシュ前”の技術と駆け引きに、是非注目してほしい。

東京ヴェルディユースのキャプテンを務める下吉洸平は、このチームのスタイルを語るうえで絶対に外せないキーマンだ。2年生だった昨季もプレミアでチーム2位の1,861分に出場し、ドイスボランチの相方を組んだ舛舘環汰(山梨学院大)とともに、多彩な攻撃を中盤から下支えしてきた。

本人も「自分はキックだったり、セカンドボールの予測を武器としていますし、ボランチがボールに関わってやっていくのが、自分たちのサッカーのスタイルだと思うので、できるだけ自分がボールを受けたいですね」とプレーメイカーとしての自覚も十分。この人を経由することで、東京Vユースのアタックにアクセントが生まれていく。

彼らが意識しているのは、相手を90分間自陣に押し込め、魅力的な攻撃を繰り出し続ける“半面ゲーム”。もちろん下吉もその理想に対して、強いこだわりを持っている。「相手の陣地に押し込んでプレーするというのは、今年も全員が同じ考えでやっていますね。去年と同じで“半面ゲーム”で圧倒して勝ちたいなと思っています」。

「やっぱりヴェルディのエンブレムを背負っているからには、見ている人を楽しませながら、絶対に勝つということへの執着も大事にしたいですし、ベースのところをもっと上げながら、しっかり自分たちの特徴を出して、『楽しく、絶対勝つ』というサッカーをできればなと思います」。高いサッカーIQを滲ませるランド育ちの司令塔には、やはりこの試合も注目せざるを得ない。

タイトルにも挙げた「2025.5.3」は、とりわけ鹿島ユースにとって重要な日付だ。ちょうど1年前のプレミアEAST第5節。彼らはホームで東京Vユースに0-3で完敗を喫したが、その一戦はシーズンを進めていく中で、忘れてはいけない教訓を得る90分間になったからだ。

「ヴェルディ戦は自分たちから崩れてしまった試合だったので、あの試合を経験したからこそ、自分たちから崩れないような声掛けや、メンタルの持ち方という部分は変わったかなと思います」(鹿島ユース・中野洋司監督)

その後の鹿島ユースの飛躍はご存じの通り。高校年代三冠を勝ち獲ったチームが、言いようのない悔しさを突き付けられた2025年5月3日の記憶は、間違いなく大きな経験として、各々の選手たちの血肉になっていることだろう。

今回もお互いに譲れないスタイルをぶつけ合う激闘は、約束されている。ゴールデンウィークに組み込まれた、1年越しの“クラハ”で戦うリターンマッチ。より進化した自分たちの姿を見せるのは、果たしてどちらの名門か、楽しみに見守りたい。

東京ヴェルディユース・下吉洸平

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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