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サッカー&フットサル コラム 2026年4月22日

絶対王者のキャプテンを担う圧倒的な覚悟。鹿島アントラーズユース・大貫琉偉が発揮するのは周囲を巻き込む誠実なリーダーシップ 【NEXT TEENS FILE.】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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鹿島アントラーズユース・大貫琉偉

ジュニアからこのエンブレムを背負ってきたのだ。クラブへの忠誠心は誰よりも強く、心のど真ん中に据えている。託されたキャプテンという役割も、意気に感じないはずがない。誰よりも走り、誰よりも戦い、1つでも多く勝利という名の歓喜を、みんなと分かち合ってやる。

「キャプテンと言われたことに対しても、プレッシャーというよりは、やってやるという気持ちの方が強かったですし、去年も試合に出させてもらっていた立場なので、自分と(平島)大悟でうまくチームを引っ張っていこうと思っています」

平島大悟とともに2026年のダブルキャプテンに指名された、鹿島アントラーズユースの中盤を司る絶対軸。大貫琉偉は並々ならぬモチベーションを携えて、勝負の1年となるアカデミーラストイヤーをフルパワーで走り出している。

そのみなぎるエネルギーは、2月の時点でも際立っていた。Jリーグ選抜の一員として臨んだ『NEXT GENERATION MATCH』。キャプテンマークを巻いた大貫は、慣れ親しんだボランチの位置でハイパフォーマンスを披露。試合自体は日本高校選抜に敗れたものの、個人としては明確に違いを生み出すことに成功する。

さらに3月にも『J-VILLAGE CUP』に挑むU-18日本代表に招集されると、ここでも決勝で先制ゴールを叩き出すなど、チームの大会制覇にきっちりと貢献。昨年開催されたU-17ワールドカップのメンバー落選を糧に、地道な成長を遂げてきたことも証明してみせる。

それでも、あくまでベクトルは自分に向いている。「自分の良いところとして謙虚さがあると思うので、代表や選抜に選ばれたからといって、鼻を伸ばすのではなくて、代表だったら智さん(山口智監督)に『こういうプレーを求めているから』と言われたことに対して、100パーセント、120パーセントで取り組むというのは常に意識していることです」。さらっと口にした言葉からも、持ち合わせているブレない軸が垣間見える。

1月にはトップチームのキャンプにも参加。J1王者の基準を味わったことで、さらなる成長欲が刺激されたようだ。「自分が感じたのはトップの選手は一人ひとりがキーパーも含めて、糸で繋がっているような感じがあって、『ここに出したら、もうここに入ってきているよね』という感じで、あえて見なくてもパスを出せばそこにいるみたいな感覚でした」

「ユースだと2,3人の繋がりはあるんですけど、そのあとが繋がっていなかったりという部分はある中で、トップに行って特に感じたのはそういう繋がりの部分で、自分は良い意味で何もできなかった印象です」。立ちはだかる壁なんて、高ければ高いほど、乗り越えることに価値が出る。そういう意味では最高の環境で、最高の課題を突き付けられたことは間違いない。

とりわけ印象に残ったのは、アカデミーの先輩の気遣いと、シビアな状況にも前を向いてチャレンジする姿勢だったという。「舩橋(佑)選手は凄く優しくて、ちゃんと『ここはしっかり出せ』とかアドバイスも言ってくれますし、トップとトレーニングマッチした時も、Jヴィレッジカップに行く前も、『頑張れよ』と声を掛けてくれたりしたんです」

「自分は舩橋選手から影響を受けて、もっとやらなきゃなと感じましたし、どんな立場に置かれていても、舩橋選手は100パーセント以上の力でやっているので、もっともっと自分も頑張りたいなと思っています」。同じボランチを主戦場に置く先輩の努力する姿は、脳裏に強く刻み込まれている。

前述したように、今シーズンの鹿島ユースはダブルキャプテン制を導入。「大悟がキャプテンで、自分が副キャプテンかなと思っていたので、最初は『オレもキャプテンか』という感じでした」という大貫だが、既に役割分担も2人の中でははっきりと棲み分けている。

「大悟とはジュニアでプレーしていた小さいころからずっと一緒だったので、お互いいろいろ話し合えますし、頼ったり、頼られたりという感じですけど、どっちかと言うと大悟のほうがうまく喋れますね(笑)。自分は基本的に熱いプレーや、走るところでチームを鼓舞できたらなと思っているので、冷静なところは大悟に任せたいと思います」

小学生時代からお互いを知る関係性の中で、期待されているのはチームを束ねるリーダーシップと、仲間たちをポジティブに感化させるパッション。キャプテンマークを巻いている大貫からは、どの試合でも強い自覚が立ち上っている。

今季も目指すのはプレミアリーグEAST制覇と、その先にあるファイナル優勝は言うに及ばず、さらにJユースカップとクラブユース選手権制覇も合わせた三冠達成。そのために必要なことを、大貫はきっぱりとした口調で言い切った。

「プレミア連覇もそうですし、もう1回三冠を獲りたいという気持ちはみんな一緒だと思うんですけど、そんな簡単な道のりではないですし、そこに囚われ過ぎると良いプレーができないと思うので、それをうまくポジティブに捉えながら、プレッシャーを感じ過ぎず、楽しみたいですね」

「今年は去年なかなかプレミアに絡めなかった人たちもたくさん試合に出てくるはずですし、あのファイナルの舞台で応援してくれた選手たちも、今度は自分があそこに立ちたいと思っているはずなので、そこに関しては『優勝はそんなに甘いものじゃないぞ』ということをうまく周りに伝えながら、やっぱりアントラーズは常にタイトルを目指すチームなので、みんなで一丸となって頑張っていきたいと思います」

実直にして、剛健。誠実にして、大胆。鹿島ユースをピッチの中央で支え続ける、代えの利かない心臓部。大貫琉偉の周囲を巻き込むリーダーシップは、すべてのタイトル獲得を目論むチームにとって、絶対に欠かせない。

 

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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