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6勝6分け6敗と完全な五分!激闘必至!伝統の柏ダービー2025夏!柏レイソルU-18×流通経済大柏高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第11節】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史柏レイソルU-18・徳田波音
昨シーズンは最終節まで優勝争いを繰り広げた柏レイソルU-18にとって、今季は一進一退が続いている。開幕連敗スタートを強いられながら、第6節からは川崎フロンターレU-18、市立船橋高校、横浜FCユースと難敵相手に3連勝を達成。9試合を消化した段階では、4勝1分け4敗と五分の数字だった。
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そんな中で迎えた前節のアウェイ・東京ヴェルディユース戦は、前半のうちに直接FKを沈められ、1点を追い掛ける展開に。後半に加茂結斗がCKを直接ゴールに叩き込む『ゴール・オリンピコ』でスコアを振り出しに引き戻すも、そこから2失点を喫して1-3で敗戦。1つ黒星が多い状況で、今節の『柏ダービー』に臨むことになる。
一方の流通経済大柏高校は、開幕から好調をキープ。6節まで負けなしで首位を快走し、第7節で東京Vユースに競り負けたが、その後は市立船橋、青森山田高校と高体連勢を撃破すると、さらにインターハイ予選でも千葉県予選を制し、全国切符を獲得。昨季から大きくメンバーが入れ替わったにもかかわらず、高いクオリティを見せつけている。
上位対決となった前節の鹿島アントラーズユース戦は、開始3分に上田哲郎のゴラッソで先制点を挙げるも、後半4分までに2点を入れられて逆転を許してしまう。一時はオウンゴールで追い付いたものの、終盤に決勝点を献上し、2-3で敗れて首位陥落。前半戦ラストゲームとなる今節に、強い意気込みを携えていることは間違いない。
タレントひしめく柏U-18の中でも、柔軟なポリバレントさでチーム戦術の幅を広げているのが徳田波音だ。東京Vユース戦でも[3-5-2]の中盤に並んだトレスボランチの右でスタートしつつ、以降もチームのシステム変更に伴って[4-2-3-1]の1トップ下、[4-4-2]の右サイドハーフの仕事を遂行。「優人さん(藤田優人監督)に求められたところなら、どこでもやれる自信はあります」と言い切る姿勢も頼もしい。
今シーズンの目標を尋ねられても、しっかりとした意志が口を衝く。「レイソルの中で一番印象に残った選手はだれかとシーズンが終わって聞かれた時に、自分の名前が出てくるような年にしたいですし、それでも個人で目立つのではなくて、チームのために貢献して目立ちたいなというイメージはありますし、クラブユースとプレミアと日本一を獲って、優人さんに恩返ししたい気持ちがあります」。チームのために戦える漢。徳田には今後も大いに注目していきたい。
もう1人のキーマンには、今年の4月にクラブ史上最年少となる16歳でトップチームとプロ契約を締結した、長南開史を挙げたい。昨季は中学校3年生ながら、プレミアで14試合に出場して2得点をマーク。今季のプレシーズンにはトップのキャンプにも帯同し、一定の評価を得たという超逸材であり、両サイドバック、両ウイングバック、ボランチ、トップ下までこなせるサッカーIQも併せ持つ。
それでも本人は現状を至って冷静に把握している。「プロ契約できたのは嬉しいことですけど、今のままでは絶対にトップに行っても何もできないと思いますし、もっともっとプレミアで違いを出していかないと、トップの試合には出られないので、そういう意味でもう1回自分を見つめ直す機会になったかなと思います。自分の注目度が前よりは増えているなと感じますけど、自分は自分の武器を生かして結果を出して、トップの試合に出たいという想いでやっているので、やることは変わりません」。おそらくトップデビューもそう遠くはない長南が、ユースで躍動する姿は一度見ておく必要があるだろう。
2025年も高いチーム力を誇っている流通経済大柏からは、リーグ屈指の破壊力を持つ2トップをご紹介したい。幅広いプレーエリアを有しながら、ゴールを獲れるポイントを見逃さないのが、ここまで5得点を記録している金子琉久だ。とりわけ浦和レッズユース戦での2ゴールは、チームに開幕戦勝利をもたらしただけではなく、ここまで繋がる好調の流れを生み出したという意味でも、大きな価値のあるものだった。
昨シーズンはBチームのメンバーとして戦ったプリンスリーグ関東でも無得点に終わり、高校選手権は登録メンバー外。それでも、「選手権の決勝で負けた日にみんなと話したんですけど、先輩たちが国立で全国2位という結果を残してくれたので、1位を獲れば去年の先輩たちを超えた証になりますし、目標がはっきりしていると思います。だから、悔しい気持ちもありましたけど、『ここから自分たちも頑張ろう』という気持ちの方が強くなりました」と国立のスタンドで誓った想いをピッチで表現中。成長著しい金子の躍動も、今節の勝利には必要不可欠だ。
第10節終了時で7ゴールを積み上げ、EASTの得点ランキングトップタイに立っている大藤颯太の株が、上がり続けている。特に第9節の青森山田戦で決め切ったゴールは、超高校級レベルの代物。さらにインターハイ千葉県予選決勝でも、2得点の活躍でチームを全国に導いており、榎本雅大監督も「今のプレミアで一番いいフォワードなんじゃないですか」と信頼を隠さない。
本人の中では昨シーズンの先輩たちと過ごした時間が、成長の糧になっているようだ。「粕谷(悠)さんには『ボールが来る時に、ディフェンスに身体を預けたら収まるよ』と教えてもらいましたし、奈須(琉世)さんや(佐藤)夢真さんと毎日のように対戦したことで基準ができて、あの人たち相手でもやれていた時もあったので、そういうことが自信になっているなと思います」。流通経済大柏に現れた二桁ゴール目前のシン・ストライカー。大藤には期待せざるを得ない雰囲気が漂っている。
実はこの試合に挑む柏U-18の選手は、ある“リベンジ”の使命を担っているという。徳田の言葉に耳を傾けよう。「インターハイの決勝で、自分たちの高校のクラスメイトが多い日体大柏が負けてしまったんですけど、その試合はレイソル全員で応援しにって、日体の選手と同じぐらいメッチャ悔しい気持ちを感じました。次の流経戦は彼らが応援に来てくれるらしいので、恥ずかしいプレーはできないですし、死にもの狂いで、自分が走って、チームを勝たせられればいいかなと思っています」
インターハイ予選決勝で流通経済大柏に敗れた日体大柏高校は、柏U-18の大半の選手たちが通学している学校であり、普段は机を並べで高校生活を送っているサッカー部の友人たちの悔しさを、自分たちが晴らしてやろうという気概を、太陽王子の彼らは抱いている。
なお、この両チームのプレミアにおける対戦成績は、過去に18試合が行われてきた中で、6勝6分け6敗とまったくの五分という数字が残っている。今回の対戦は双方にとって勝ち越すチャンス。伝統の柏ダービー、2025夏。激闘必至。
流通経済大柏高校・大藤颯太
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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