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サッカー フットサル コラム 2025年5月9日

4勝=12得点同士が激突する前半戦のキーゲーム!3位対2位の首位追撃戦!サガン鳥栖U-18×ガンバ大阪ユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第7節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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サガン鳥栖U-18・東口藍太郎

ここまでの6試合は4勝2敗と白星先行。日高拓磨新監督が就任したサガン鳥栖U-18が上々のシーズンスタートを切っている。開幕戦こそゲームを押し気味に進めながら、サンフレッチェ広島F.Cユースに1-2と競り負けたものの、ホームに戻った第2節の静岡学園高校戦は3-0の快勝。続く第3節のファジアーノ岡山U-18戦でもウノゼロ勝利を収め、早くも連勝を達成する。

第4節でヴィッセル神戸U-18との打ち合いの末に、2-3で敗戦を喫するも、第5節では開幕4連勝を飾っていた名古屋グランパスU-18を、今度は3-2と堂々撃破。勢いそのままに臨んだ前節のアビスパ福岡U-18戦では、池田季礼のドッピエッタで2-0と白星を掴み、今季2度目の連勝。現在は3位と好位置に付けている。

3年ぶりにプレミアの舞台へ帰ってきたガンバ大阪ユースも、好調をキープしている。開幕戦こそアウェイで名古屋U-18に0-1と敗れたが、ホーム初戦となった神村学園高校戦は4-0で完勝。2試合目にしてシーズン初白星を手繰り寄せる。

難敵の広島ユースをホームに迎えた第4節(第3節は延期)では、中積爲のハットトリックで3-0ときっちり勝利。第5節の帝京長岡高校戦も2-1で制し、敵地から勝点3を持ち帰る。さらに前節の静岡学園戦も、10番の當野泰生が2得点を叩き出し、3-0で怒涛の4連勝を成し遂げ、一気に2位まで浮上してきた。

鳥栖U-18にとって東口藍太郎のリーダーシップは絶対に欠かせない。今季は黒木雄也とのダブルキャプテンに指名され、チームをまとめる役割に着手。「黒木が優しくて、自分が厳しいタイプなので、後輩とも言うところはしっかり言える関係性を意識してやっています」と嫌われ役も辞さない覚悟を決めて、中心選手としての存在感を強めている。

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プレー面では本人もエンゴロ・カンテを参考にしていると言い切るだけに、球際へと果敢に飛び込める胆力と、そこでボールを奪い切れる守備技術も完備。「『鳥栖のカンテ』と言われてもメチャクチャ嬉しいですけど、やっぱり『鳥栖の東口』として自分の名前をどんどん売れたらいいなと思います」。今季の東口の躍動には常に注目していきたい。

もう1人のキーマンにはレフティの池田季礼を挙げる。プレシーズンではシャドーやサイドバックも務めていたが、開幕後は左サイドハーフに固定されると、6節終了時で3ゴール2アシストと明確な結果を残しており、「去年は結果が出なくて悔しい想いをしたので、今年は結果を残せるようにやっていきたいです。得点は二桁獲れたらなと思います」というシーズン前に定めた目標達成も、現実味を帯びてきている。

正確な左足から繰り出すFKやCKに加えて、「肩が強いわけではないんですけど、身体がちょっと柔らかいので、ムチみたいな感じで投げられるのかなと思います」というロングスローも飛距離十分。得点に関われる選手へと進化しつつある池田のセットプレーが、この試合の勝敗を大きく左右することは間違いない。

アウェイゲームを戦うG大阪ユースの中で、チームをボランチの位置から束ねる山本天翔の存在は語り落とせない。今季はジュニアユース時代に続いてキャプテンに就任し、「『キャプテンがこうやから付いていこう』と思われるような人を目指して、オン・ザ・ピッチでもオフ・ザ・ピッチでも責任感を感じながら行動しています」とリーダーの自覚を口にする。

昨年のクラブユース選手権決勝では直接FKを沈め、日本一を引き寄せた左足の威力は相変わらず圧倒的。前節もグラウンダーの高精度スルーパスで中積のゴールをアシストしており、今回の上位対決でもこの人がどれだけチャンスを演出できるかが、勝利に直結する重要なポイントだ。

リーグ最少の2失点という驚異的な数字を誇る守備陣を、守護神の荒木琉偉や1年生の藤本祥輝とともに支えるのが、センターバックを務める横井佑弥だ。開幕2試合はコンディション不良で欠場したものの、4節からスタメン起用されると、最終ラインから連勝を支えるような安定したパフォーマンスを披露している。

とりわけ意識しているのは昨季のキャプテンだという。「去年本当に参考にしていたのは古河幹太くん(現・関西大)で、一番近くでプレーしていましたし、マチさん(町中大輔監督)にも『幹太みたいになれよ』と言われているので、目標にしています」。同じセンターバックでコンビを組んでいた“先輩”をロールモデルに掲げる横井が、青黒のゴールに強固な鍵を掛け続ける。

最後に鳥栖U-18を率いる日高監督が話していた、印象的な言葉を紹介しておきたい。

「自分はサガン鳥栖に帰ってきて8年目で、今まで7年間見てきた部分で、『サガン鳥栖はこういうチームだ』というのはだいぶわかっているので、そこを再確認するというか、特にハードワークする部分のベースは、改めてしっかり強調しようかなと思っています」

「『積極的にボールを奪いに行くこと』『ハードワークすること』『切り替えを速くすること』『球際で負けないこと』というところはサガン鳥栖として伝統的に大事にしてきたところで、それは僕だけではなくて、全カテゴリーの指導者が軸に持っているところだと思います。そういう『サガン鳥栖と言えば』みたいなところを大事にしていきたいですよね」

ともに首位の名古屋U-18をわずかに勝点1差で追う、3位と2位の上位対決。双方にとって、前半戦の山場ともいうべき勝負の90分間は激戦必至。勝利だけを見据えたバチバチの意地の張り合いに、大いに期待したい。

ガンバ大阪ユース・山本天翔

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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