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国立ファイナルから4か月。日本一を懸けて争った竜虎相搏つ高体連頂上対決! 流通経済大柏高校×前橋育英高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第6節】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史流通経済大柏高校・安藤晃希
2025年1月13日。国立競技場に58,347人の観衆を集め、日本一の座を巡って争われた高校選手権決勝は超激闘に。最後は10人目までもつれ込むPK戦の末に、前橋育英高校が流通経済大柏高校に競り勝って、7年ぶり2度目の全国制覇を達成した。その両者がプレミアリーグという舞台で4か月ぶりに再会するのが、今回の一戦ということになる。
流通経済大柏は好調が続いている。浦和レッズユースとアウェイで戦った開幕戦に金子琉久の2ゴールで勝ち切ると、第2節の昌平高校戦でも3得点を奪って快勝。第3節の川崎フロンターレU-18戦こそ、1-1で引き分けて連勝はストップしたものの、続く第4節でFC東京U-18と対峙した無敗同士の“首位攻防戦”にも、今季初スタメンの昇純希が得点を叩き出し、3-1で白星を手繰り寄せる。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第6節-2 流通経済大学付属柏高校 vs. 前橋育英高校
配信期間 : 2025年5月6日午前10:50 ~
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第6節-1 柏レイソルU-18 vs. 川崎フロンターレU-18
配信期間 : 2025年5月5日午前10:50 ~
前節は昨年のEAST王者・横浜FCユースとアウェイで激突。前半のうちに得点ランクトップを走る金子が幸先良く先制ゴールをマークし、一時は追い付かれたが、そこからメンディーサイモン友、大藤颯太、島谷義進が得点を重ね、終わってみれば4-1というスコアに。5試合を終えて4勝1分けという上々の数字を残し、首位を快走中だ。
前橋育英はここまでホームとアウェイの勝敗がハッキリしている。ホームに柏レイソルU-18を迎えた開幕節は、牧野奨と大岡航未の2ゴールで白星発進となったが、第2節のアウェイ・鹿島アントラーズユース戦は打ち合いの末に2-3で敗戦。ホームに戻った第3節の青森山田高校戦は、瀧口眞大の一撃でウノゼロ勝利を飾りながら、再びアウェイに乗り込んだ第4節の東京ヴェルディユース戦は、無念の逆転負けを喫することになる。
前節でもこの流れは継続。市立船橋と向かい合ったホームゲームは、前半のうちに柴野快仁と大岡のゴールで2点を先行すると、後半には2年生アタッカーの瀬間飛結がプレミア初得点を記録し、3-0で完勝。ホーム3連勝という勢いを付けて、今節は苦手のアウェイゲームへと挑む。
流通経済大柏でフィーチャーしたいのは、2025年の10番を任されている安藤晃希だ。昨シーズンは抜群のスピードを誇るドリブルで、左サイドを切り裂き続けていたが、中盤のシステムがダイヤモンド型になったことで、今季はトップ下にチャレンジ。「自分はスペースがある中でのドリブルを武器にしてきて、今はそれができない状況なんですけど、慣れない中で少しずつやりたいことがわかってきました」と新ポジションにもポジティブに取り組んでいる。
安藤にとって高校選手権決勝は、苦い思い出になったと言っていいだろう。もつれ込んだPK戦で10人目のキッカーとして登場すると、渾身のキックは相手GKに弾き出され、準優勝に終わった試合後には悔し涙に暮れた。
もちろんそのシーンを忘れたことなんで一度もないが、「3年生のおかげで良い経験ができた中で、自分がPKを外してしまったんですけど、最後に3年生が優しく声を掛けてくれたので、そこで『去年の3年生の人たちと流経を国立に連れてこないといけないな』と強く思いました」ときっぱり。高校ラストイヤーに懸ける想いを、より強めている。
開幕3試合はスタメンに指名されるも、いずれも早い時間で交代を命じられ、第4節ではベンチスタートに。ただ、そのゲームではチーム3点目に絡む中央突破を披露し、存在感をアピールした。前節はメンバー外となっていたため、今節での復帰は不透明だが、試合に出場するならば、前橋育英戦に並々ならぬ気合いを携えている新10番には是非注目してほしい。
前橋育英のキーマンには、ボランチの位置でチームの好守を力強く支えている柴野快仁を挙げたい。昨シーズンのプレミアでは第7節で初スタメンを勝ち獲ると、そのままレギュラーに定着。「最初のころはプレミアの強度に慣れなくて、陽さん(石井陽/現・明治大)にカバーしてもらう部分が多かったんですけど、後半戦からはチャンスを多く作れたり、ボールを落ち着かせられるようになりました」とシーズンを追うごとに主要キャストへと成長を遂げた。
高校選手権では2回戦から準々決勝まで体調不良で欠場したが、準決勝の東福岡高校戦の後半から戦線に復帰すると、決勝の流通経済大柏戦では貴重な同点ゴールもゲット。最後は10人目のキッカーとして勝利を決めるキックを成功させ、日本一にきっちり貢献してみせた。
ただ、本人はさらなるアピールの必要性を感じているようだ。「去年は誰も知らない無名の選手で、選手権で点を決めたからちょっと知られ出したぐらいなので、ここからはプレミアでしっかり活躍して、代表とかが付いてくるような選手になりたいなと。まずはチームを勝たせることが一番で、そこから自分自身の結果も付いてきたらいいなと思っています」。個人としてのステップアップも虎視眈々と狙っている。
前節の市立船橋戦でも、自ら中央を運んでスルーパスを通し、大岡のシュートがクロスバーに当たった跳ね返りを押し込んで、早くもチームトップとなる今季3点目。より結果を出せる選手への階段を上がりつつある柴野のパフォーマンスが、流通経済大柏とのゲームでも勝敗のカギを握ることは間違いない。
なお、今年に入ってからの安藤と柴野は、U-17日本高校選抜の活動で2か月近くともにプレーする機会があり、安藤も「柴野はメッチャ仲良いです。流経のサッカーと前育のサッカーは結構違うと思うんですけど、自分的には前育みたいなサッカーも好きですし、柴野のおかげで自分の良さもより引き出してもらえましたね」と言及。柴野も「安藤とは結構仲も良いですし、だからこそ負けたくない気持ちも非常に強いですね」と笑顔で語っている。
選手権ファイナルのリターンマッチ。ゴールデンウィークの最終日に組まれた、流通経済大柏と前橋育英が再会する高体連頂上対決、激戦必至。
前橋育英高校・柴野快仁
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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