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サッカー フットサル コラム 2024年4月9日

静岡代表の規模感で世界と争う「世界で唯一のクラブ」アスレティック・クラブの偉大さ

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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それでも、静岡代表レベル、茨城代表レベルでチームを作り、世界一、二を争うクラブと同等の競争力を維持する。その育成のメリットたるや「素晴らしい」以外の言葉がない。

おらが県の誇りゆえにファンとの距離は近い。決勝会場のセビージャ市には7万人のアスレティが集まった、という。知り合いの知り合いにはアスレティックでプレーした人がいるレベルの親近感。グローバル化したビッグクラブのスタジアムにはコアなファンもそうでない人も混在しているが、アスレティックの本拠地新サンマメスにはベレー帽をかぶったユニフォーム姿のおっさんが目立つ。地元出身者で他のクラブのファンを見つけるのは極めて難しい。

練習場も開放的だ。世界的なクラブは練習非公開こそがプロのあかしであるがごとく振る舞っているが、県民のクラブが県民に練習を見せないなんて矛盾している。

トップチームの練習こそ非公開が多くなったが、それ以外のチームは女子プロチームを含めて完全に公開している。中には警備員もおらず、選手たちが普通に横を歩いている。練習後にはサインや写真もねだれる。練習施設「レサマ」はビルバオ市内から電車に揺られて30分ほど。朝一番に男子プロの練習を見て、その後は次々と訪れる下部組織の練習を見ながら、併設されているカフェで下部組織の選手に交じってお昼ご飯を食べて一日過ごす、なんて夢のようなことも可能だ。

ラリーガにはまだこんなクラブが残っている。それは私のようなスペインサッカーファンにとっても誇りである。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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