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サッカー フットサル コラム 2024年4月1日

近所で偶然見かけたグラナダFCジュニアの練習は全に大人のそれだ

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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指導者時代にもそう思っていたし、今、グラナダで小学校高学年の育成を見ていてそう思う。

プロの練習に続き、プロ予備軍の練習も見せない、というのがスペインでは主流になっている。育成大国にして指導者の育成を妨げる馬鹿げた習慣だと思う。我が地元、グラナダFCの練習場にも高さ3mほどの塀が張り巡らされており、まるで刑務所のようだ。

そんな中、幸運にもグラナダFCの小学生世代の練習が近所(徒歩3分)の小学校でこっそり行われていることを、散歩途中に発見した。あまりにも子供のレベル、練習オーガナイズのレベル、指導者の指示のレベルが高いので見とれていたら、グラナダFCだと言う。しめた! それから、もちろんジャーナリストであることを明かさず、見学者に混ざっている。

一番驚いたのは、子供たちが大人であることだ。小学生のくせに、大人のプレーをしている。例えば、インテンシティが高く当たりが強い。しかしファウルは犯さない。プレーは途切れず集中力が切れない。ボールが出るとすぐに別の場所からプレー再開になるのだが、必ず子供の準備ができている。集まり具合の関係で数的不利のチームが生まれるが不平不満など出ない。結果的に全員が動きっ放しで練習が終わるーーこれがいかに実現困難なことかは、指導をされている方ならわかるだろう。

素晴らしいのはこの規律、モラルの高さが「指導者が罰を与えることによって」成立しているわけでなく、「そうしないと目の前の敵に勝てないという子供の自覚によって」成立していることだ。目付きは完全に大人、子供間の指示や激励も完全に大人のそれだ。

なぜ、スペインの育成がここにきて凄みを増しているのか?

スパイさせてもらった成果を、これからもみなさんにお伝えしていきたい。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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