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サッカー フットサル コラム 2024年3月30日

リーグ最高のデータを誇るアーセナルだが修羅場の経験は・・・

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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3勝7敗・得点7・失点20。アルテタのアーセナルは、グアルディオラ率いるシティが苦手だ

3勝7敗・得点7・失点20。アルテタのアーセナルは、グアルディオラ率いるシティが苦手だ

3勝7敗。不愉快なデータだ。ミケル・アルテタ体制下のアーセナルは、ジョゼップ・グアルディオラ監督のマンチェスター・シティを苦手にしている。

2020/21シーズンから昨シーズンまで7連敗。全10試合で得点7・失点20は、振り返りたくない数字だ。

今シーズンのコミュニティシールド(PK戦4−1)と1-0で3ポイントを奪った8節の一戦だけでは、苦手意識を払拭できるはずがない。

さて、20シーズンぶり14回目のリーグ優勝をめざすアーセナルの4月は26日で8試合。基本的に中二~四日という過密日程だ。

4月3日:ルートン(A)
4月6日:ブライトン(A)
4月9日:バイエルン(H)
4月14日:アストンヴィラ(H)
4月17日:バイエルン(A)
4月20日:ウルヴズ(A)
4月23日:チェルシー(H)
4月28日:トッテナム(A)

ルートンは「絶対残留」の意欲に欠け、ブライトンは三笘薫やソリー・マーチなど、代えが利かない選手が負傷に倒れている。この2試合でポイントをロスするリスクは極めて低い。

本拠モリノーでシティとチェルシー、トッテナムを破っているウルヴズも、ペドロ・ネトとマテウス・クーニャが深手を負った。今シーズン中の復帰は難しい。

しかし、チャンピオンズリーグ出場権獲得が現実味を帯びてきたアストンヴィラ、まだまだあきらめていないトッテナム、ビッグ6を向こうにまわすと闘志が表に出るチェルシーは、小さな油断が大きな綻びに通じる危険な相手だ。

そしてバイエルンとのCL準々決勝も、プレミアリーグに大きな影響を及ぼすかもしれない。

2015/16シーズンのグループステージはアウェーで、翌シーズンのラウンド16はホーム、アウェーとも1−5の惨敗だ。勝負強さをまとった今シーズンと異なり、当時のアーセナルはひとつの周期が終焉を迎えていたが、シティ戦同様に不愉快なデータである。大敗を繰り返すようだと、チームの士気は低下する

また、経験値も気になるところだ。ペップ体制のシティは、大半の主力がプレッシャーをエネルギーに変換できる。ユルゲン・クロップ監督の有終の美を飾らんとするリヴァプールは、フィルジル・ファン・ダイク、アリソン・ベッカー、モハメド・サラーなど、ピリピリした場面でこそ真価を発揮する猛者が少なくない。

得点70・失点24、クリーンシート率39%は現時点でリーグ最高だ。データではアルテタのチームが有利に映るとはいえ、修羅場の経験が不足している。

さぁ、いよいよ正念場だ。20年ぶりの戴冠には今週末にシティを叩き、その勢いでバイエルンを破壊することが必要条件だ。シーズン終了後、ノースロンドンから大砲の爆音は鳴り響くだろうか。データ分析サイト『Opta』は本命:シティ、対抗:リヴァプールと予想。アーセナルは三番手に甘んじている。
Opta Football Predictions | The Analyst

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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