人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2023年12月10日

天皇杯決勝で大健闘の柏レイソル 最大の功労者は柏の若きツートップ、細谷と山田

後藤健生コラム by 後藤 健生
  • Line

もちろん、柏の選手たちに疲労の色は濃った。そのため、パスの精度は前半より落ちた。だが、足だけは止まらなかったし、終盤には井原正巳監督が交代を使いながら、チーム全体の勢いが失われることを防いだ。

こうして、試合は0対0のまま90分が終了。川崎は後半から小林悠や遠野大弥など攻撃的な選手を入れ、延長後半には元フランス代表バフェティンビ・ゴミスも投入するが、結局、120分戦った両チームはゴールを割ることはできなかった。

天皇杯決勝 川崎フロンターレ vs 柏レイソル

天皇杯決勝 川崎フロンターレ vs 柏レイソル

柏はJ1リーグ第31節から最終節までで4連続して引き分けている。そして、J1リーグ34試合のうち引き分け数はなんと15試合に達している。井原監督就任以降、守備面で安定感は増したが、攻めきれずに引き分ける試合が多かったのだ(もっとも、そこで1ポイントずつ拾い続けた勝点が最後は残留につながったのだが……)。

一方、川崎もかつてのような圧倒的な攻撃力は影を潜め、点が取れずに泣いた試合が多かった。

つまり、攻め合った末にスコアレスドローというのは、今シーズンの両チームのチーム状況を反映した結果でもあった(天皇杯決勝がスコアレスドローに終わったのは、1990年度の第70回大会の松下電器対日産自動車戦以来)。

だが、柏レイソルは試合に敗れたわけではなかった。いや、試合内容ではむしろ川崎を上回っていたのだ。この貴重な経験と、悔しさ、そして川崎と互角以上に戦ったという自信。それは、必ずや来シーズン以降につながっていくことだろう。

柏の大善戦に貢献した細谷と山田の若きツートップにとっても素晴らしい経験だったはずだ。

細谷はパリ・オリンピックを目指すU-22日本代表のストライカーだが、11月のワールドカップ・アジア2次予選で森保一監督率いる日本代表に招集され、2024年1月1日に行われるタイとの試合でも代表入りを果たした。森保監督が視察に訪れた天皇杯決勝戦でも、その成長ぶりは十分に見せつけたので、これから代表に定着していくことは確実だろう。

ただ、惜しかったのは決勝戦の後半と延長戦にあった2度の決定機を決められなかったこと。

69分にはロングボールを受けてDF(大南拓磨)をかわしてフリーになったのだが、大南との接触でバランスを崩してボールコントロールが大きくなり、GKの鄭成龍にクリアされてしまった。そして、99分には鄭成龍と完全に1対1になったものの、シュートを2度にわたってブロックされてしまった。素早くボールに体を寄せてシュートコースを狭めた鄭成龍のプレーを褒めるべきではあるが、日本のエースストライカーとなるには、やはりこういう場面で確実に決められるようになる必要がある。

天皇杯決勝 川崎フロンターレ vs 柏レイソル

天皇杯決勝 川崎フロンターレ vs 柏レイソル

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ