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2年ぶりの戴冠か。意地の優勝阻止か。大注目の杉戸決戦! 昌平高校×青森山田高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第21節】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史昌平高校・田中瞭生
好調のフェーズに入ってきているのは間違いない。初めてのプレミアリーグを戦ってきた昌平高校のことだ。第15節からは悪夢の4連敗を突き付けられたものの、リーグ中断直前の前橋育英高校戦で5試合ぶりの白星を手にすると、選手権予選も準々決勝は苦しみながらも細田学園高校に延長戦で競り勝ち、準決勝も武南高校相手に7-2という打ち合いを制して、決勝へと勝ち上がる。
埼玉制覇を懸けたファイナルで対峙したのは、インターハイ予選でPK戦の末に敗れている浦和南高校。リベンジを期す昌平は前半に田中瞭生のゴールで先制。後半にも三浦悠代が追加点を叩き出し、2-0と快勝を収め、2年連続6度目となる全国切符を獲得。勢いそのままに再開したプレミアでも旭川実業を2-1と下し、公式戦5連勝で今節へと臨む。
アウェイチームの青森山田は、このゲームに勝てば2年ぶりのプレミアリーグEAST優勝が決まる。今シーズンはここまでわずかに3敗。4連勝で迎えた第14節のホーム・柏レイソルU-18戦に3-5で敗れたが、そこから再び連勝を達成し、第17節・川崎フロンターレU-18戦との首位攻防戦も2‐1で勝ち切ってみせる。
翌節の尚志高校戦は0-2で敗れたものの、市立船橋高校戦に勝利して連敗回避。昌平同様に冬の全国出場を決めて挑んだリーグ再開初戦の前節は、前橋育英をホームで2-1と撃破すると、2位の尚志が柏U-18に敗れたことで、勝ち点差が4に開いたため、今節でリーグ制覇を引き寄せられる状況が整った。
目の前での優勝を阻止したい昌平からは、両サイドバックをフィーチャーしたい。まずは不動の右サイドバックとして、今シーズンのリーグ戦全20試合にスタメン出場している田中瞭生だ。チームきってのムードメーカーは、プレミアで12番を付けているにも関わらず、選手権予選では5番のユニフォームに袖を通す。
本来の5番は負傷で長期離脱を強いられているキャプテン・石川穂高の番号。「『オレが背中にいると思ってプレーしろ』と穂高に言われました」と笑った田中は、前述したように決勝で先制ゴールをマークし、優勝に大きく貢献。12番に“戻った”プレミアでも、前節の旭川実業戦でアシストを記録するなど、持ち前の攻撃性が確かな結果に繋がり始めているだけに、この一戦でも得点に関わるプレーに期待が集まる。
一方、ここ最近のゲームでは左サイドバックで起用されている前田大樹は、チーム屈指のポリバレントなプレーヤーだ。そもそも1トップ下やサイドハーフを主戦場にしてきた中で、今シーズンはボランチにもトライするなどプレーの幅を広げてきたが、19節の前橋育英戦では右サイドバックで登場。選手権予選中に今度は左サイドバックでも起用されると、旭川実業戦もそのポジションに収まっていた。
「どこのポジションになっても本質的な部分は変わらないかなって。ゴールを守るために、ゴールを獲るために、やるべきことは大きく変わらないですね」と言い切った言葉も頼もしい。あるいは今回のゲームも左サイドバックには違う誰かが指名されているかもしれないが、前田はどこかのポジションで必ずスタメンリストに名前を書き込まれているはずだ。
EAST制覇が目前に迫ってきた青森山田の中で、菅澤凱がその存在感を高め続けている。今シーズンは一貫して左サイドバックの位置でチームを引き締めてきたものの、第18節の尚志戦ではセンターバックを務めると、前節の前橋育英戦では中盤でアンカー気味の立ち位置を取り、勝利にきっちり貢献。求められた役割をこなし切る力を改めて示してみせた。
昨年まではボランチを務めてきたこともあり、本人は左サイドバックでのプレーに「しっくりは来ないですね」と口にしながらも、「もう高校ではサイドバックをしっかりやり切ると決めているので、やるからには日本一のサイドバックを目指しています」ときっぱり。リーダーシップも発揮できる菅澤の献身的な姿勢は、この大事な一戦においても絶対に欠かせない。
そして、この昌平戦に並々ならぬ気合を入れて向かうであろう選手が、今季の青森山田の10番を背負う芝田玲だ。ここまでのプレミアでは全試合にスタメン出場を果たし、4ゴール9アシストを記録するだけではなく、高い基準をチームメイトにも求めながら、グループを逞しく牽引してきた。
そんな芝田が青森の地へ身を投じる前にプレーしていたのがFC LAVIDA。昌平の前節のスタメンには、実に9人の“元チームメイト”が名前を連ねており、今回の会場になっている昌平高校グラウンドは、そんなかつての仲間たちとボールを追い掛けた場所でもある。
リーグ優勝の懸かった試合の相手も、舞台も、芝田にとってはモチベーションを最大限までに高められるシチュエーションが用意された。ただ、もちろん昌平の選手たちも、自分たちのホームで歓喜の瞬間を迎えさせるつもりは毛頭ない。不思議な因縁に彩られた杉戸決戦。90分間が終わったあと、ピッチ上に繰り広げられる光景は、果たしていかに。
青森山田高校・芝田玲
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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