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サッカー フットサル コラム 2023年10月27日

アジアカップは開催可能なのか? パレスチナ情勢がサッカー界に与える影響

後藤健生コラム by 後藤 健生
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しかし、イスラエルのガザ地区への地上侵攻が始まり、さらにヒズボラやイランが介入したりすれば、中東全体が大混乱に陥るので、アジアのサッカー界全体が巻き込まれるかもしれないのだ。

2024年1月から2月にかけて、カタールでアジアカップが開催される。カタールは中東の中では安定している国で、パレスチナ紛争を巡って仲介役を果たす可能性もある。

だが、表面的には王族のターニー家による独裁が続くカタールだが、国内で権力争いが起こる可能性も否定できず、アラビア湾(ペルシャ湾)を隔ててイランと対峙しているだけに、イランが今回の紛争に関わるようになると難しい状況に追い込まれる。

影響を受けるのは中東地域だけではない。

ヨーロッパには歴史的に多くのアラブ系住民やユダヤ人が暮らしているので、パレスチナ情勢が悪化すれば国内での対立やテロ行為の危険が増す。

10月16日には、ベルギーの首都ブリュッセルでテロ行為が発生してスウェーデン人が射殺され、同時刻にボードワン国王スタジアムで行われていたベルギー対スウェーデンの試合がハーフタイムで中断され、結局試合はそのまま中止となった。

この事件の政治的背景はよく分かっていないようだが、もし中東情勢が緊迫するようなことがあれば、各国でテロの脅威が高まり、国際試合ができなくなってしまうかもしれない。

2024年夏にはフランスのパリで夏季オリンピックが開かれる。同大会の開会式はスタジアムの中でなく、セーヌ川で行われ、選手たちは船で入場行進するという。ユニークな開会式となるはずだ。

だが、スタジアムという閉鎖空間ではなくセーヌ川というオープンな会場で行われるのでテロに対する警備が難しく、すでに「変更すべきだ」という意見も出ている(閉会式は、トロカデロ広場で開催の予定だったが、スタッド・ド・フランスに変更された)。

来年はドイツでEUROも開催されるが、パレスチナ情勢が悪化すればEUROやオリンピックのような国際大会にも影響を与えるかもしれない。

ガザ地区で多くの民間人の生命が危ぶまれている時にサッカーの試合や大会のことを語るのは不謹慎かもしれないが、とにかく事態が沈静化することを祈らずにはいられない。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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