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サッカー フットサル コラム 2023年9月27日

『98パーセントの苦悩』の先にある『2パーセントの歓喜』を求めて 高円宮杯プレミアリーグEAST FC東京U-18×横浜F・マリノスユースマッチレビュー』

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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だが、横浜F・マリノスユースと対峙したこの日の試合も、チームは思ったようなパフォーマンスを発揮できない。立ち上がりから一方的に押し込まれ、先制点を献上した上に、ポストとクロスバーにそれぞれ一度ずつ助けられるピンチも。ホームチームは45分間でわずかに1本のシュートしか打つことができず、1点をリードされたままハーフタイムを迎えることになる。

FC東京U-18を率いる奥原崇監督

苦境の中で、奥原監督は自分が言い続けてきたことを思い出していた。「僕が就任してから『ポストの内側に入るか、外側に出るかは、技術でコントロールできにくいところだけど、それがチーム状況を現わす』と言っていて、クラブユースの後はピッチだけじゃない部分にも力を取られた1か月だったので、そこから選手が本当によく頑張って、みんなで這い上がってここまで来たので、ポストに当たってどっちに転がるかみたいなところも、自分としてはチームとしての積み重ねと、トレーニングの成果と、両方の面があったかなと思っています」。2つの“外側”に持たせたい意味を信じて、残された45分間のピッチへ選手を送り出す。

後半も楽な展開ではなかった。相手に2点目を獲られてもおかしくないシーンもあったが、次の得点はFC東京U-18が手繰り寄せる。ゴール前のこぼれ球を2年生ストライカーの山口太陽が泥臭く押し込む。リーグ戦では実に6試合ぶりに生まれた得点。「こぼれ球をみんなで繋ぎ合わせてのゴールだったので、本当に勇気をもらえたところはありましたね。あの点のあとに、クラブユースの舞台を踏んでいる選手は、『今日は行けるんじゃないか』という確信めいた雰囲気になったと思います」。指揮官は準優勝した夏のクラブユース選手権と同じ空気感を、この1点から敏感に感じ取っていた。

89分。途中出場の平澤大河が蹴り込んだ左CKに、同じく途中出場の岡崎が合わせたヘディングが、右スミのゴールネットへとゆっくり吸い込まれていく。「僕もジュニアユースから見ていて、彼がこういう点を獲ったのは初めてですね(笑)」と奥原監督も笑った決勝点は、シーズン開幕前に負ったケガの影響で、ようやく後半戦から戦線復帰してきた主将の一撃。劇的すぎる結末が呼び込んだ、10試合ぶりとなる白星。選手も、スタッフも、観衆も、待ちに待った勝利に笑顔で酔いしれた。

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