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さて、日本代表(なでしこジャパン)は、3試合を戦って得点11、失点0という圧倒的な成績でグループリーグを通過。とくに、最終のスペイン戦も4対0で完勝して世界を驚かせた。
スペイン戦の後の記者会見で外国人記者がこんなことを質問した。
「日本は“格下”のザンビア、コスタリカ戦ではボールを持ってビルドアップして相手の分厚い守備を崩して勝利した。そして、スペイン戦では相手にボールを持たれていたのに、カウンターで得点を重ねた。いろいろな戦い方ができるのはなぜなんだ?」
その質問に池田太監督は直接は答えなかったが、答えは「まったく違うタイプの試合でそれぞれ最適の戦術をできたこと」に尽きるだろう。
どんな相手に対しても、選手全員が戦術的な対策を忠実に実行できること。それが、日本のストロングポイントである。
日本との試合を前にスペイン代表はワールドカップでの2試合を含めて8連勝。しかも、直近の6試合はすべて無失点で終えていた。そのため、スペインの選手たちには攻守にわたって過信があったのだろう。スペインのDFが不用意に攻撃に上がって来たので、その背後には広大なスペースが生まれてしまった。そして、そのスペースを日本は狙っていたのだ。
スペインのホルヘ・ビルダ監督が「全員が攻めに行ってしまった」と嘆いていたが、そこを引き締めるのは監督自身の仕事のはず。池田監督は“格下”との対戦でそこを徹底した。
ザンビア戦やコスタリカ戦で、日本は日本戦のスペインがそうだったようにボールを握って攻撃を続けた。だが、そんな一方的な試合でも、DFラインは危機管理を徹底し、ザンビア戦に至っては相手のシュートは0本に抑えられた。
昨年のカタール・ワールドカップでも、男子の日本代表がスペインを破っている。
だが、あの試合の前半はスペインにボールを握られ、なんども決定的ピンチがあった。1失点ですんだことの方がむしろ驚きだった。もちろん、日本の粘り強い守備によるものだったが、「1失点」はスペインの拙攻のおかげとも言えた。
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