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そして、後半の日本の反撃での連続得点。「三笘の1ミリ」も含めて、ミラクルな勝利だった。
だが、今回のなでしこジャパンのスペイン撃破は違う。
スペインの猛攻を抑えたのは、日本の組織的な守備によるものだった。
スペインの個人技は明らかに日本よりも上であり、その結果90分間を通じてのボールポゼッションは日本の23%に対してスペインは65%に及んだ。しかも、スペインはいかにもスペインらしい戦術を駆使して攻撃を組み立てた。
トップにいるジェニファー・エルモーソはいわゆる“偽の9番”で、トップの位置から下がったり、左右に開いてプレーする。そして、その開いたスペースにインサイドハーフのアレクシス・プテージャスやアルタナ・ボンマティが入り込んで来るのだ。
しかし、そのスペインの攻撃を日本の守備の組織が完璧に抑え込んだのだ。
ボランチやサイドバックがきっちりとカバーしている場面では、ポジションを下げる“偽の9番”をCBの南萌華や高橋はなが追う。だが、カバーが十分でない場面では、無理をして追うことなく、相手の2列目からの飛び出しに備えてスペースを消した。
スペインのボール保持率は確かに高かったが、日本の守備陣は危ない場面をほとんど作らせなかった。
そして、日本は攻撃面ではスペインのDFが不用意に上がってくることを予測して、最初からカウンターの意識を持って戦い、狙い通りに相手の裏のスペースを利用して前半の3回のチャンスをすべて決めきった。
つまり、女子ワールドカップでのスペイン戦の勝利は、「奇跡」などではまったくなかった。日本の組織的守備がスペインの攻撃陣を完封し、プラン通りのカウンターでゴールを陥れた。つまり、「奇跡的な勝利」ではなく、「必然の勝利」だったのだ。
こうして、日本はグループリーグの主役となった。
ここまでは、カタール大会と同じだ。カタールでも、優勝経験のあるヨーロッパのサッカー大国であるドイツとスペインを連覇した日本は話題の中心だった。
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