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J1リーグで活躍するベテランといえば、首位争いの渦中にあるヴィッセル神戸の大迫勇也(33歳)と武藤嘉紀(間もなく31歳)も忘れてはならない。
先週末、6月25日に行われた第18節のアビスパ福岡戦でも、2人だけで3ゴールを奪って勝利を決めた。
1点目は相手のパスをカットした大迫が右サイドの武藤に預けて、折り返しをワンタッチで決めた見事な得点。高い位置でプレスをかけてボールを奪うと、互いに信頼し合ったこの2人だけで簡単に相手陣内深くまでボールを運べるのだ。
今シーズンのJリーグでは、若手FWの町野修斗(湘南)と細谷真大(柏レイソル)に期待が集まっていた。昨年、J2リーグで爆発した小川航基(横浜FC)も注目された。
だが、得点王争いでアンデルソン・ロペス(横浜M)が13ゴール、大迫が12ゴールを決めているのに対して、町野は8点で追いすがっているが、小川は6点、細谷は5点に留まっている。
一方、日本代表の6月シリーズではFWとして上田綺世と古橋亨梧が起用されたが、日本が大量得点した2試合を通じてともに1得点のみで物足りなさが残った。従って、現時点で日本最高のストライカーが大迫であるのは間違いない。
同様に、日本代表では右サイドバックとしては菅原由勢が定着しつつあるが、酒井宏樹のダイナミックなプレーを見れば、彼が今でも日本最高のSBであることは間違いない。
日本代表の森保一監督は3年後のワールドカップを見据えて世代交代を進めている。カタール・ワールドカップが終わって以来、吉田麻也前主将をはじめ、長友佑都、酒井宏樹、大迫勇也といった30歳を越えた選手は招集されていない。谷口彰悟の31歳(7月で32歳)が最年長である。
森保監督は「ワールドカップが迫っても若手が育っていなかったらベテランを復帰させよう」と考えているのだろうが、果たしてどの時点でベテランを呼び戻すつもりなのだろうか? あるいは、その“つもり”はないのか? 順当に考えれば、ワールドカップ1年前くらいの時点がリミットのように思える。
では、2024年1〜2月のアジアカップはどう考えるのか?
この大会でどうしても優勝を狙うのであれば、9月のヨーロッパ遠征からりベテランの復活=最強チームの編成に踏み切るべきだろう。だが、「アジアカップは若手の成長のための大会」と割り切るのであれば、同大会は若手やJリーグ勢を中心に戦うことになる。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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