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このまま延長戦なしでPK戦に突入か…と思われたが、スペインの勢いは止まらず、アディショナルタイムには右サイドを突破されてヴィッキーに勝ち越しゴールを許す。間もなく長い笛が鳴り、1-2で終了。日本はベスト8で大会を去ることとなった。
勝者と敗者。ピッチ上には残酷なコントラストが描かれた。試合後、狩野監督は「マイボールの時間が少ない中で先制することができましたが、その1点を守りきれなかった」と、言葉を噛み締めるように言った。苦しい時間帯を耐え抜き、谷川のスーパーゴールで先制した日本には勝つチャンスがあった。だが、守り疲れもあっただろう。交代枠を使いきり、最後まで諦めなかったスペインの執念が最後は優った。
とはいえ、90分間を通してみれば、スコア以上の力の差を認めざるを得ない。シュート数は日本の5本に対してスペインが21本、ボール保持率は日本が34%、スペインは66%。コーナーキックはスペインの7本に対して日本はゼロだった。スペインはA代表から育成年代まで戦術的なメカニズムが徹底され、U-17代表も、各ポジションでやるべきことが整理されていた。そして、個が躍動していた。
悔しい結果となったが、4試合を通じて日本がインドの地で「応援されるチーム」になったことは確かだ。この試合でも6700人超の観客が詰めかけ、「ジャパン!コール」が降り注ぐ場面もあった。観客は、ドラマチックな展開に一喜一憂していた。
雨あられのようなスペインシュートを止めまくった岩崎。スペイン優勢の膠着状態のなか、スーパーミドルを決め、4戦連続弾で観客のハートを射抜いた谷川。頭抜けたテクニックで相手を翻弄した15歳の眞城。勝利が見えてきた矢先のスペインの三枚替え、それが当たっての土壇場での逆転勝利…。見どころの多い試合だった。初めての国際大会で世界のトップレベルを体感できた経験は、選手たちにとってかけがえのないものとなったはずだ。
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