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互いに非常に高い強度のプレッシャーを掛け合う激しい展開で、ひとたびボールを奪うと瞬時に周囲の選手がいっせいに反応して動き出して攻撃に移る。良い位置にいれば、守備的なポジションの選手も躊躇せずに攻撃に飛び出していく。
とくに、横浜はいつものように両サイドバックがサイドハーフを追い越してオーバーラップをかけたり、あるいはインサイドハーフのポジションに上がって攻撃に加わったりと自由にポジションを変えながら攻撃を続けた。
一方、神戸では右サイドに入った飯野七聖が精力的な動きを見せ、トップの大迫勇也もしっかりとボールを収めて起点を作る。左サイド汰木康也も勝手知ったる埼玉スタジアムでドリブルで切れ込んでくる。それぞれが特徴をしっかりと発揮できていたのだ。そして、中盤では山口蛍がミドルレンジのパスを駆使してゲームを作った。
開始から7分、汰木からのパスを受けた飯野がタックルに来たDFの脚とGKを越すループシュートを決めて神戸が先制すると、横浜もその2分後に右サイドで形を作って仲川輝人が入れたクロスに西村拓真が合わせて同点とした。だが、31分には相手のハンドで得たPKを佐々木大樹が決めて神戸が勝ち越してハーフタイムを迎えた。
「失うもののない状態」の神戸が思い切ったアグレッシブな試合をしたのに対して、横浜はどうしても精神的に受け身に回ってしまって、その分プレー強度が落ちてしまったという前半だった。そして、攻めてはいても追いつけないという状態が続いたことによって今度は焦りが生じて、1人で強引に突破を狙う形となってしまった。
終盤には、さすがの神戸にも疲れが見えて攻撃の形を作れなくなってしまったかに見えたが、80分には右サイドで飯野が起点となって形を作り、最後は交代出場の小田裕太郎が決めて、神戸が準々決勝進出を決めた。
Jリーグは、ここ数年で非常にレベルが上がっている。アンジェ・ポステコグルー(現、セルティック監督)が横浜F・マリノスの監督に就任して、両サイドバックが高い位置に上がるサッカーで一世を風靡したが、それからほんの4、5年でサイドバックの攻撃参加などユース年代のチームでも、女子チームでも普通に行われるようになった。多少のぶつかり合いではホイッスルを鳴らさない積極的なレフェリングもあって、プレー強度も格段に上がってきている。
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