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だが、全北は大邱の守りを崩せない。攻撃の型に変化がなさすぎるのである。
右サイドはサイドハーフの韓教元(ハン・ギョウォン)に預けて、サイドバックの金紋奐(キム・ムンファン)が追い越してクロスを上げる形。そして、左サイドではキム・ボギョンがポイントを作り、サイドバックの金珍洙(キム・ジンス)がサポートする形。この左サイドの2人は自由にポジションを取って攻撃のバリエーションを増やすことができた。とくに、キム・ボギョンはJリーグでも活躍して馴染みが深い選手だが、今ではまさにこのチームの攻撃の柱となっている。しかし、チーム全体としては攻めのアイデアに欠けていた。
こうして前半はスコアレスで折り返したが、後半のキックオフから35秒で全北が大邱の守備をこじ開けて見せた。中盤で孟宣民(メン・ソンミン)が大きく右に振り、右サイドの韓教元が入れたクロスにワントップの松旻揆(ソン・ミンギュ)が合わせてボレーで決めたものだ。
「これで、全北の勝利が決!」と思われたが、10分後の56分。ロングボールからゼカが抜け出して、あっけなく大邱が同点とする。その後も一進一退が続き、延長でも決着がつかずにPK戦突入かと思われた121分(つまり、延長後半のアディショナルタイム)に交代で出場したばかりの金鎮圭(キム・ジンギュ)が押し込んで、全北がなんとか勝利を収めたのだ。
つまり、この試合ではリーグ戦で下位に低迷している大邱が引いて守りを固めたのに対して、上位の全北が攻めあぐねた、まさに膠着状態が120分間続いた試合だった。守備から攻撃への切り替えも遅く、30年ほど前の(つまり、Jリーグ以前の)サッカーを見ているようだった。
一方、Jリーグ勢同士の戦いでは、神戸が大邱とは対照的に素晴らしいアグレッシブな試合を見せてリーグ戦首位の横浜と激しい打ち合いを演じて、見事に3対2で勝利を飾った。
実にハイレベルでエキサイティングな攻防だった。なにしろ、シュート数が神戸の18本対横浜の19本。枠内シュートだけでも5本対9本というのだ。
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