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サッカー フットサル コラム 2022年7月31日

「小さい子供たちに『自分のように小さくてもできるんだぞ』ということを見せたい」。前橋育英高校・高足善が最後の最後で見せ付けた10番の矜持【インターハイ決勝 帝京高校×前橋育英高校マッチレビュー】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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時計の針は、もう後半のアディショナルタイムを指していた。2か月近く遠ざかっていたゴールの歓喜。日本一を決めるこの試合でも、何度もやってきた決定機を逃し続け、ほとんど心は折れ掛かっていた。だが、諦めるわけにはいかない。応援してくれるみんなのために。自分を信じてボールを集めてくれるチームメイトのために。そして、かつての自分のようにサッカーが大好きな子供たちのために。ボールが足元に届く。ドリブルで運びながら、右足で思い切り振り抜いたシュートがゴールネットへと届いた瞬間、気付けば胸の“10番”を指さしながら、高足善は夢中で仲間の元へと走り出していた……

悪くないシーズンのスタートは切っていた。今シーズンから挑戦しているプレミアリーグでも、最初の6試合で4ゴールをマーク。チームを勝利に導くような大事なゴールも挙げるなど、当初の目標だったリーグ得点王も十分に狙えるようなペースで、得点を積み重ねていた。

だが、5月も半ばを過ぎると、なかなか結果に恵まれない日々を強いられてしまう。厄介なタイガー軍団の10番を潰そうと、明らかに厳しさを増すマーク。ファウルスレスレのタイトなプレーに、小柄な身体が何度もピッチに倒される。「相手が厳しく来ているのは自分でも感じていて、前を向いた時に相手との距離が近くて、なかなか自分のプレーが出せなくて……。でも、それはありがたいことです。マークに付かれても個で剥がしたり、自分で打開できる力をもっと伸ばして行きたいなと思っています」。言い訳はせず、自分の成長へと繋げようと必死に前を向くが、とにかくゴールが付いてこない。

夏の全国大会が始まっても、その流れは変わらなかった。チームが勝ち上がっていく中で、高足は攻守に献身的なプレーこそ披露していたものの、ゴールを決めて主役の座をさらっていくのは同じアタッカーの小池直矢や山田皓生。途中交代でベンチに下がることも多く、「自分も思い通りのプレーができなくて交代ばかりだったので、本当に悔しかったです」と率直な想いを明かす。

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