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サッカー フットサル コラム 2022年4月22日

浦和や神戸にとっては貴重な強化の場に・・・日韓両国と東南アジア勢が絡む混戦となったACL

後藤健生コラム by 後藤 健生
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だが、神戸と浦和は今シーズンは苦戦を強いられている。神戸はJ1リーグで未勝利のままでついに最下位に転落してしまったし、浦和も2勝2分4敗と勝ち星を増やせずに10位と低迷中だ。

ただ、ACLでの戦いは別物だ。

I組の神戸は、上海海港が棄権したおかげで3チームによる戦いとなり、しかも相手は香港の傑志(キッチー)とタイのチェンライ・ユナイテッドと、“格下”ばかり。試合数が少なくなったことで体力の消耗も防げる。

そして、浦和は大邱FCには敗れたものの、ライオン・シティ・セイラーズ戦、山東泰山戦と非常に良い内容の試合をした(相手のプレスがほとんどない状態だったが)。

浦和はJリーグでも素晴らしい内容の試合をすることがあるのだが、その力をコンスタントに発揮できないのだ。そんな戦いが、リカルド・ロドリゲス監督就任2年目になっても、いまだに続いている。

原因の一つが、リカルド・ロドリゲス監督が毎試合のように先発メンバーを変更し、1人の選手を試合によってさまざまなポジションで起用することだ。そのため、選手間のコンビネーションも確立できないでいる。しかも、昨年以来シーズン途中で何人もの新戦力を獲得して、それに伴ってメンバー構成も変わるのでチグハグさが目立っていた。

だが、ACLでの悪コンディションの中での戦いではメンバーが固定されていないことが、むしろ有利に働いた。「誰がレギュラー」という固定型がないだけに自然にローテーションができている。しかも、厳しい環境での連戦をこなす中で、チームの一体感が上がってきているようにも感じる。

とくに重要なのは最近チームに加入したダヴィド・モーベルグやアレックス・シャルク、さらにケガの影響で長期間チームを離れていたキャスパー・ユンカーが実戦の中で周囲との関係性を高めている。

つまり、このACLでの戦いを通じて、チームの完成度が上がり、また新戦力との融合も進みそうなのだ。

大邱FCに敗れたことで戦いの行方は分からなくなってしまった。だが、たとえラウンド16進出ができなかったとしても、タイ・ブリーラムでの戦いを通じてチーム状態が好転するとすれば、それは浦和にとってけっして悪いことではない。

いわば、ACLでの戦いは「実戦付きのトレーニング合宿」のようなものとなるのだ。同じことは、新たにミゲルアンヘル・ロティーナ監督を迎えてチームの立て直しが急務となっているヴィッセル神戸にも言えそうだ。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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