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サッカー フットサル コラム 2021年10月11日

松井大輔加入で注目を集めたFリーグ再開戦。サッカーとフットサルは、もっと交流を深めるべきだ

後藤健生コラム by 後藤 健生
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実際、後半に入ると攻撃のギアを上げてきたY.S.C.C.横浜が攻撃でリズムを作りそうになったが、ここで再びギアを上げられるところが今シーズンの湘南の強さなのだろう。Y.S.C.C.横浜が攻勢に出ていた29分50秒に、相手のキックインのボールを奪ったロドリゴが決めて、これで勝負は着いた。その後は、うまく時計の針を進めた湘南がそのまま逃げ切った。

相手のボールの動かし方をしっかり読んでボールを奪って、カウンターに徹するという試合運びは見事なものだった。

ちなみに、試合を見ていて、双方のゲームプランの違いがすぐに分かるところが、このフットサルという競技の面白さでもある。

とにかく、こうして多くの観客の前で、アウェーの湘南が見事な試合運びで湘南は完勝を見せつけたのだ。

さて、肝心の松井大輔だが、途中交代で出場したが、プレー時間は合計でも3分くらいではなかったか。現役復帰から時間が経っていないため、本人のコンディションが万全ではなかったようだし、まだチームメイトとのコンビネーションも確立されていないのだろう。

それでも、ボールにタッチする回数は多かったし、前線でゴールを狙おうという意識は強かったように見せた。

そして、面白いのは彼のフェイントのリズムやスケール感が他のフットサル専門の選手たちとどこか違いがあったことだ。フットサル特有のスピードはないが、代わりにそのフェイントに“大きさ”があったのだ。切り返しなどのスケールが大きいのだ。

今後、フットサルをプレーしていくためには、フットサル的な速さも身に着けていく必要があるだろう。だが、彼が完全にフットサル・プレーヤーになってしまってはそれも面白くない。日本代表クラスのサッカー選手らしいスケール感は失わずに、それを日本のフットサル界に広めていってほしい気もするのである。

というのは、先日のフットサル・ワールドカップで世界のトップのプレーを見ていると、一つひとつのフェイントのスピードと同時に、そのスケールの大きさが印象に残ったからだ。フェイントをかけて、抜けていくときのそのフェイントの速さと大きさ。そこに、どうしようもないような差を感じたのだ。

サッカーのトップクラスの選手のFリーグ加入は、サッカー・ファンの興味を引いて観客動員拡大に寄与するのはもちろんだが、プレー面でも今までのフットサルにはない“何か”をもたらしてくれる可能性があるのではないか。

トゥーキックによる脚の振りの小さなフットサル特有のキック技術はサッカー選手たちも見に着けるべきだし、逆にサッカー選手の持つスケールの大きなフェイントはもっとフットサルに取り入れられるべきだ。互いの良さを取り入れ合っていくことが、日本のサッカーとフットサルのレベルのさらなる向上につながっていくのではないだろうか。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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