人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2021年8月11日

尚志高校の超注目DF。チェイス・アンリはこの夏を世界へ羽ばたくステップに 【NEXT TEENS FILE.|高円宮杯】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line

チェイス・アンリ

何と言っても、絵になる男だ。まるでこちらのカメラの腕が上がったのかと錯覚させられるぐらい、走る姿もボールを奪う姿も、素晴らしい写真として記録に残っていく。だが、もちろん風貌だけではない確かな実力も兼ね備えているのだから、恐れ入る。「高校のラスト1年間は、オレらしさを出せるのが一番だと思います。注目されることは嬉しいと言えば嬉しいですけど、謙虚にやらないといけないなとも思っています」。尚志高校の世代最注目ディフェンダー。チェイス・アンリの底知れないポテンシャルは、群を抜いている。

まだ、大舞台でそのパフォーマンスを十分に発揮するには至っていない。1年時の高校選手権では、全国大会の初戦で途中出場を果たしながら、チームはPK戦で敗退。2年生に進級した昨年度はコロナ禍でインターハイが中止になり、選手権でも県予選準決勝で学法石川高校に0-1で敗れ、福島制覇の目標は叶わなかった。

「2年の時の選手権が一番大事だと思っていたので、そこで負けて本当に悔しかったです。準決勝は自分のプレーが全然ダメで、雰囲気も相手に持っていかれていたので、全体的にダメでした」。選手権の全国大会は「自分がそこにいなかったので、見たくなかった」と、ほとんどチェックしていなかったという。

加えて冬の期間は、ケガの影響もあって満足にトレーニングできない時間が続いた。「みんながサッカーしているのを見て、結構メンタル的には大変でしたけど、焦ってやるとまたケガしてしまいますし、そこは『しっかり我慢しないといけない』とトレーナーにずっと言われていたので、我慢しなければいけない所でした」。

それでも、その期間も自分の糧にできるのが好選手の証。体幹のトレーニングに励み、リフティングでボール感覚を維持する傍ら、ひたすらサッカーを見る日々を過ごしていたそうだ。「Jリーグも見ていますし、海外のサッカーも見ていました。サッカーIQを上げるために、自分の好きなセンターバックをしっかり見て、どういう動きをしているかを学んでいました」。

「よく見ていたのはリヴァプールのファン・ダイクです。ヘディングも強いし、1対1も負けないし、ロングフィードもできるし、すべてが素晴らしいです。プレミア、メッチャ見ています」。世界最高峰のセンターバックをイメージしながら、復帰後の自分に想いを馳せていた。

3月に戦列復帰してからは、プリンスリーグ東北で実戦経験を積みながら、インターハイ予選でもきっちり全国切符を掴み取ると、6月上旬には“飛び級”でU-20日本代表候補合宿にも、Jリーガー中心のメンバー構成の中で、高体連所属選手としてただ1人招集。高校の2年先輩に当たる染野唯月(鹿島アントラーズ)にもアドバイスを仰ぐなど、充実した時間を過ごし、さらなる自身のステップアップに意欲を見せている。

時折見せる迫力のあるオーバーラップは確信犯。「自分も上がるのが好きですし、前に行ってもボールを取られる気はしないので。流れで『もう行くしかない』という感じですよね。そういうプレーをどんどん出していきたいです」。攻守に存在感を放てるプレーヤーへの成長を、自分自身にも課してきた。

強気な物言いも魅力的。今年の1年に向かう気持ちも、清々しい。「全然自信満々ですし、もうラスト1年で、緊張してやっていたらすぐ終わってしまうので。絶対に相手にやられちゃダメですし、常に失点ゼロを目指しています。仲間と全国制覇できるように頑張ります」。

待ちに待った2年ぶりの全国舞台。終わってみればチェイス・アンリが、この夏の主役の座を鮮やかにさらっていく可能性は、そしてこの夏を世界へ羽ばたくステップの場にしてしまう可能性は、十分にある。

文 土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ