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サッカー フットサル コラム 2021年8月11日

流通経済大柏高校が誇るチームの心臓。“コバキョー”こと小林恭太の察知力【NEXT TEENS FILE.|高円宮杯】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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小林恭太

どのポジションにいても、どの役割を託されていても、それを100パーセント、いや、120パーセントでやり切れるのが、この男の特徴だ。そんな選手が、周囲から信用されないはずがない。「自分は別に足元が上手い方ではないですし、貪欲にやって、背中で示すというのがチームから求められていることの1つだと思っているので、そこは絶対やらなきゃいけないと思います」。流通経済大柏高校が誇るチームの心臓。小林恭太の察知力は、オンリーワンの個性を放っている。

高円宮杯プレミアリーグEAST第3節。清水エスパルスユース戦の試合後。流通経済大柏を率いる榎本雅大監督は、負けた直後にもかかわらず、楽しげな顔であるエピソードを語ってくれた。

「センターバックの(田口)空我が足を攣っちゃったなと思ったら、シブ(渋谷諒太)がもう『オレがセンターバックですよね?』みたいな。そんなヤツいないでしょ。コバキョー(小林)もそんな感じなんですよ。サイドバックを代えようとしたら『オレがサイドバックに入るんですよね?』みたいな。それで平均点以上を出してくるのも凄いです。そういう部分も気持ちいいですよね。『ああ、行けますけど』みたいな(笑)」。

サイドハーフ。ボランチ。そして、サイドバック。複数のポジションをこなせるポリバレントさは、間違いなく大きな武器だ。「センターバックはあまりやらないですけど、それ以外のポジションは基本的にできるようにというモットーは持っていますし、インターハイのような交代枠が少ない中でこそ、そういう所は自分の良い所の1つだと思っているので、臨機応変に対応できればいいと思っています」。自分で状況を察知し、その時々の正解を導き出していく。チームにとって、これほど頼りになるプレーヤーはいない。

中学生時代もクラブ・ドラゴンズ柏でキャプテンを経験しており、今年のチームでは副キャプテンに就任。どういう形でリーダーシップを発揮していくかは、心得ている。

「やっぱり部員が多いので、1人1人が自覚を持ってやっていると思うんですけど、その中でも自分とか渋谷とか(田口)空我とか、キャプテンや副キャプテンはさらにその上の覚悟を持ってやっていかないといけないと思うので、しっかり伝統を受け継ぎたいですし、自分たちは日本一が目標なので、そういう所でも高みを目指して頑張っていければと思います。渋谷(諒太)が本当に素晴らしいキャプテンで、そこに自分も付いていかないと副キャプテンも成り立っていかないと思うので、渋谷を追い掛けるだけじゃなくて、同じラインに立って、チームを引っ張っていきたいです」。確固たる意欲を携えた言葉が頼もしい。

ピッチの中での立ち振る舞いを、参考にしている選手がいるという。「チェルシーの(エンゴロ・)カンテは一見守備だけに見えて、攻撃もしっかりできるところがチームのダイナモみたいな感じで、チームの中心選手なのに、チームのために走れる選手、そういう所が自分は好きですね。カンテみたいになりたいなと思っています」。世界王者のボランチを見据えつつ、自身もこの夏の頂点を真剣に狙っている。

「やっぱり今は青森山田が“1強”みたいになってしまっているんですけど、そこに食い込まないと自分たちも日本一は難しいので、1人1人がもっと技術を上げていかないといけないですし、1人1人が意識の所から変えていければなと思っています」。

流通経済大柏が目指す日本一。そのカギはチームの絶対的なダイナモであり、圧倒的な察知力を有する“コバキョー”が握っていると言っても、決して過言ではない。

文 土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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