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今週のプレミアムゴールは、プレミアリーグ第35節ウェスト・ブロムウィッチ対リヴァプールの後半27分に決まった、モハメド・サラーのゴール!
マンチェスター・シティでもよく見られる、GKのロングキックを起点とする形だった。GKカリウスが蹴ったロングボールを、右サイドでフィルミーノがヘディングで落とし、中央のサラーへ。再びフィルミーノが受けてテンポ良くつなぐと、受けたチェンバレンがドリブルで前に割って入った。
この動きに合わせ、サラーがファーサイドへふくらんで鋭く走り抜けると、チェンバレンのパスを引き出し、フリーでエリアへ侵入。滑り込んできたGKフォスターの上を、ループシュートで抜き、冷静にゴールを決めた。GKを起点とし、フィルミーノ、サラー、チェンバレンが見事なコンビネーションで突破を果たした。
これでサラーはリーグ戦33試合で31得点。1シーズンのリーグ戦が38試合となってからは、アラン・シアラー、クリスチャーノ・ロナウド、ルイス・スアレスに並ぶトップタイの記録だ。リーグ戦、残りはあと3試合。今までのペースを考えれば、サラーの記録更新はかなり可能性が高い。
それを支える味方とのコンビネーションも醸成されている。今回のゴールも見事だった。後半21分、リヴァプールは先制ゴールを挙げたイングスと、マネの2人を下げ、フィルミーノとチェンバレンを同時に投入し、サラーを中央に、フィルミーノとチェンバレンを左右に配するシステムに変えていた。
すでにスコアは1-0。この試合のリヴァプールは、中2日で迎えるチャンピオンズリーグ準決勝ローマ戦をにらみ、省エネ戦法に徹している。前半4分に早々と先制した後は、前後半共に、守備ブロックを低く構えてカウンターをねらうか、あるいはボールを持ってもテンポを上げずにパスを回す。そんな時間帯が多かった。そのため、ウェスト・ブロムウィッチに押される展開も少なくなかったが、フィジカルの消耗を抑えることが、この試合のリヴァプールにとっては大きな目的だったようだ。
その省エネの中でも、巧みに追加点を生み出している。相手のプレッシングを引き込み、敵陣に空いたスペースをGKのロングキックで攻略。この日のゲーム戦略には、最適な形だった。
ただし、この2-0とした約75分間までの時間帯は、良い試合運びを見せたリヴァプールだが、終盤は勢いに押され、セットプレー2発で2-2に追いつかれてしまっている。サラーのゴールのように、うまく機能したものがローマ戦の糧となるのか。あるいは終盤をコントロールし切れず、セットプレーで決壊したことが影を落とすのか。チャンピオンズリーグ準決勝も楽しみだ。
清水 英斗
サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー観戦力が高まる~試合が100倍面白くなる100の視点』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。
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