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サッカー フットサル コラム 2018年4月2日

リヴァプールにとってはリーグ4位以内確保に大きく前進する1勝

今週のプレミアムゴール by 清水 英斗
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今週のプレミアムゴールは、プレミアリーグ第32節クリスタル・パレス対リヴァプールの後半39分に決まった、モハメド・サラーの決勝ゴール!

リヴァプールにとっては苦難の立ち上がりだった。引いて守るクリスタル・パレスにカウンターを食らい、サイドバックとセンターバックの間へザハが飛び出してくる。この明らかな脅威は、数回繰り返され、ついにGKカリウスがザハを倒し、PKを与える事態になってしまった。前半13分、ミリボイェビッチが決めて、クリスタル・パレスが先制。

相手ブロックの間に、なかなか割って入れず、序盤はサラーのボールタッチもほとんどなかった。それでも少しずつゴールに迫り、セットプレーでもチャンスを作り始めたリヴァプールだが、前半は0-1のまま終了。

そして後半4分、サラーが逆サイドへ振ったボールから、ミルナーが仕掛けてグラウンダーの速いクロスを入れると、マネが合わせて待望の同点ゴール。後半のリヴァプールは、両サイドバックが高い位置を取り、幅を使って攻める形が増えた。

しかし、1-1とした後、勢いに乗って2点目とはいかず。クリスタル・パレスが押し返し、ショートカウンターやロングボールから、立て続けにベンテケが決定機を迎えるが、これを決められず。リヴァプールは冷や汗をかいた。

その後もザハのドリブルを中心に、攻勢を強めるクリスタル・パレス。後半20分、リヴァプールはマネとワイナルドゥムを下げ、チェンバレンとララーナを投入して、修正を試みた。ところが、そのララーナが5分後にハムストリングを痛めてしまう。ゲームプランが狂ったリヴァプールはこれ以上、MFの控えがいない。3枚目の交代でララーナに代えてロヴレンを投入し、左ウイングに入っていたチェンバレンを中盤に下げ、[4-3-3]から[3-5-2]へ変更した。

このシステム変更により、お尻が重たい5バック守備になりやすくなったリヴァプールは、再び攻め込まれる展開になった。しかし、これに耐えると、後半39分にチャンス到来。中盤にポジションを下げたチェンバレンが、得意のドリブルでペナルティーエリアの脇へ切り込み、クロスを上げた。

これは重要なプレーだった。MFがドリブルでブロックの間へ侵入すること。前半はほとんど見られなかったプレーであり、おそらくララーナに期待されたプレーでもあり、そして、ララーナを交代させた後にチェンバレンを中盤に下げた理由が、まさにここにあるのだろう。チェンバレンの推進力が、チャンスを切り開く。

このクロスを、逆サイドからロバートソンがワンタッチで折り返すと、足下に受けたサラーは左足で打つと見せかけ、トラップして右足へ流す。逆を取られたママドゥ・サコは、テリーばりの顔面ヘッド、あるいはGKのようなダイビングで身体を投げ出すが、サラーの右足が一歩速かった。見事にゴールへ流し込み、劇的な2-1となる逆転ゴールを挙げた。

リヴァプールにとっては大きな1勝だった。この勝利で、リーグ4位以内の確保に大きく前進した。今後の過密日程のリーグ戦で、ターンオーバーを行う余裕も生まれるだろう。マンチェスター・シティとのチャンピオンズリーグ準々決勝ホーム&アウェーに、全力を尽くす準備ができた。

内容の悪い辛勝ではあったが、ララーナを失ったこと以外は、一概にネガティブとは言い切れない。大勝してシティ戦に臨むより、むしろ良かったのではないか。クリスタル・パレスが、良い時間帯から転落して逆転ゴールを許したように、試合の満足感は、かえって守備の隙を生む要因になるから。

これでいいのだ。

代替画像

清水 英斗

サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー観戦力が高まる~試合が100倍面白くなる100の視点』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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