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サッカー フットサル コラム 2018年3月26日

中島翔哉のメンタルの図太さ 間違いなく、国際試合で戦えるタイプだ。

今週のプレミアムゴール by 清水 英斗
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今週のプレミアムゴールは、国際親善試合の日本代表対マリ代表、後半アディショナルタイムに決まった、中島翔哉の同点ゴール!

後半15分に投入されてから、最初は良いところナシだった。守備はあっさり置き去りにされ、攻撃は味方とかみ合わずにチャンスを潰し、ボールタッチも自分の思った場所に置けていない。そんなシーンが何度か目についた。まさに散々なパフォーマンス。

でも、そんなの関係ねえ。取りゃあいいんだよ、取りゃあ。

後半アディショナルタイム、三竿健斗のパスを受けた中島は、フリーで前進しようとするが、そこに猛烈な勢いでマリの選手が寄せてきた。すると、中島はインサイドターンで回転しながら、プレスをいなし、さらに第二、第三のプレスに来ようとする相手を、再びインサイドターンで持ち出し、相手3人を一気に置き去りにした。

なんて小気味の良い場面だ。終始デュエルで苦戦していた味方を尻目に、164センチの中島が、得意のドリブルでズバッと抜き去って行く。

キーワードは回転数だった。大柄な選手が多いマリに対し、中島は足のリーチこそ短いが、回転数の高さで勝負している。ボールを止めて捕まったら終わりだが、捕まらないように、回転数を上げてスルスルと抜け出す。

逆にマリの選手のほうが戸惑った。大柄な選手ほど、小さい選手とは「やりづらい」と言うことが多い。回転数の違いで、リズムが合わないのは大きな要因。さらに身体を当てようとショルダーチャージに行くと、それが小さい選手の顔面辺りにヒットしてしまうため、身体をぶつけづらい、という側面もある。足のリーチという弱点さえ、テクニックで克服できれば、小さい選手がデュエルで勝つ可能性は充分にあるのだ。

Jリーグのコンサドーレ札幌では、『タイのメッシ』の異名を取る、チャナティプ・ソングラシンが活躍している。彼の身長は158センチと、日本人よりも一際小さい。しかし、やはり大柄なDFほど、小柄ですばしっこい選手とはやりづらさを抱えるものだ。Jリーガーが日頃、チャナティップに感じるやりづらさと、マリの選手が中島に感じたやりづらさは、よく似ていたのではないか。非常に面白い逸材だ。

その後、中島はドリブル突破した後、左サイドに開いた小林悠にパスを送り、クロスのこぼれ球に三竿が走り込む。そして三竿がシュート……と思われたが、あれはシュートではなかったらしい。

「シュートを打つのが難しい状態だったので、クロスにしました。(ファーサイドに詰めた中島の動きが見えていたわけではないけど)おそらくあそこに誰かが詰めているだろうと、出しました」

最後は中島が詰めて同点ゴール。三竿の好判断も光った。中島や三竿だけでなく、大島僚太、中村航輔など、この試合で目立ったのは、リオ五輪世代などの若手が多かった。ガッカリ試合であることは否定しないが、収穫もある試合だった。

中島には引き続き期待したい。テクニックや回転数の面でも面白い選手だが、何より、あの散々なパフォーマンスで迎えた後半アディショナルタイムに、相手3人を抜き去ってやろうと勝負した、メンタルの図太さが良いじゃないか。間違いなく、国際試合で戦えるタイプだ。

個人的には、すでに中島に23人の当確ランプを付けたいほどだが、ひとまずはウクライナ戦のパフォーマンスを楽しみにしよう。

代替画像

清水 英斗

サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー観戦力が高まる~試合が100倍面白くなる100の視点』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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